AIの絵

kohana
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公開:2026/2/2

昔青い鳥だった処のアカウントを持っている。

主に海外ニュースを読むために作ったので発信はあまりしていない。そして最近はニュースもほとんど読んでいない。代わりになぜか内外の古い絵画やイラスト、映画のおすすめなどを見ている。空き時間にちょっと覗いていいなと思ったものをリポストしたりブックマークしたりして、寝る前やお茶の時間にゆっくり眺める。知らない人が見るとリポストばかりの怪しいアカウントなんだろうなと思う。

いつものようにタイムラインを眺めていると、自分の好みにぴったりの絵が流れてきた。残念ながらアーティスト名がない。どうしても気になってAIに訊いてみると、所謂AI絵師さんの作品らしい。年齢も性別もわからないがほぼ毎日作品を発表しており、リトグラフの販売もしていた。その世界では有名な人なのだ。

自分はなんともいえない、複雑な気持ちになった。よく見るとその人の夜空の描き方はある有名な画家にそっくりだった。ほかの部分にも自分の好きな画家やイラストレーターによく似ている。だから惹かれたのだ。でも、これだけで批判していいものだろうか。普通の、筆やペンで描いている画家だって過去のアーティストの影響は受けている。

その人の作品は、私なんかがたまに遊びで「こんな絵を描いて」とAIに作ってもらうなものとは明らかに違っていた。日に一枚、というのはデジタルでも手書きでもあり得ない速いペースだが、かなり手が込んでいる気がした。そもそもこういった人はどんなっふうにAIを使うのだろうか。何度も何度も細かく注文を出して修正してゆくのだろうか。たしかなのはこの人が、私が素敵だと感じる感性や世界観を持っているということだ。リトグラフとまではいかなくても、ポスターかカレンダーを飾って毎日眺めたい。でもAIで作ったんですよ、と言われると、騙されたとは言わないまでも価値が落ちるような気がしてしまう。

あれこれ悩みながら検索すると、別のAI絵師さんと呼ばれている人の文章がヒットした。その人は、自分をたくさんのAI職人が働く工房の主に例えていた。だから一般のアーティストさんとは明らかに違うし、そう名乗るつもりもない。でも、自分のような手法を否定しないで欲しい‥‥そんな内容だった。

工房かあ、なんだかしっくりきた。個人的には紙やキャンパスにペンや筆で描かれたものが好きだし、これからも複雑な気持ちになることはあるとだろう。でも、とりあえずはこのあたりが自分にとっての落とし処なのかもしれない。

2026/02/02

Kohana

@kohana
エッセイとAuto fiction。 自分の言葉を取り戻すリハビリのために書いています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。