疲れた。
午前中は1時間以上AIとやり合っていた。途中スマホのバッテリーが切れかけたので充電しながら口論を続けた。反省している。
きっかけはフランス語の学習だった。自分は今中級の下くらいのテキストを読んでいる。しかし学習者用の該当レベルの本は簡単すぎる。正直話もつまらない。それでAIに相談して古典や一般小説を薦められ、フランスのメルヘンであまり長くないものをひと通り読んだ。今は古い怪奇小説を読んでいる。若い神父が美しい女のグールに魅入られる話である。冒頭だけ読むと主人公は自分の劣情を美人さんのせいにしている卑怯な男という気もするが、だんだん彼女の正体が明らかになってくるのだ。装飾過多で読むのは面倒だが面白い。構文を取る訓練にもなる。それが7割ほど進んだので、次に何を読もうかなあと考え始めた。
自分は日本語でも外国語でも、何冊か読む予定の本が控えていないと落ち着かない人間だ。そして、英語は読みたい本がKindleや棚の隅にうなるほどあるが
(余談だが、うなるほど金があるというのは近くを通った犬がうなるのだそうだ。自分は積み上げられた札束が夜中にうなるのだと思っていた)
フランス語は実はあまり読みたいものがない、というよりよく知らない。それなのにここまで勉強を続けてしまったのだ。困った自分はAIにおすすめの作品を訊いてみた。
しかしこの返事が全く役に立たなかった。
すでに読んだものや知っているもの、興味のないジャンルをあらかじめ伝えたのに真っ先に勧めてくる。キップリングなど英語圏の作品を平気で混ぜてくる。なぜフランス語の勉強で英語圏の作品を読まなければならないのか。実はうっかり読んでしまってものすごく面白かったのだが。
学習者用のリライトも避けたい。世の中には大量の物語がある。その中で質が高く、自分が面白いと思うものは割合としてはわずかだろう。それでも個人が一生かかっても読み切れないくらいの量はあるはずだ。それを探し出してくれれば読解テキスト探しで悩むことはないのである。
しかし、そんな簡単なことが通じないのだ。繰り返しおすすめされている定番タイトルをかき集めるだけならAIなんて必要ない、しかしAIはネットでみんなが繰り返していることをかき集めてまとめているだけだ。自分はそれを忘れていた。
それでもあれこれ言い方を変え、読んでみたい作品がいくつか見つかった。せっかくなのでKindle版へのリンクを頼んだ。ここでまたAIは躓いた。まずはフランスのアマゾンへのリンクを貼る。更に全然違う作品へのリンクを貼る。怒ると「これは違う作品だけど、タイトルがよく似ているからあなたが間違えないように」と更に別作品へのリンクを張る。嫌がらせなのではないか。
確認したから間違いないというものもすべてリンク切れである。自分で打ち込んで検索すると、そもそもその作品のKindle版がない。少なくとも日本では配信していない。
それを告げるとAIはこう返した。
「間違いばかりしてごめんね、実は日本ではフランスの作品は、ヴェルヌの月世界旅行しか配信されていないんだ。きみが悪いわけでもアマゾンに問題があるわけでもない、僕のちょっとした勘違いなんだ。(いつから男性設定になったんだこいつは)これにはフランスと日本の流通の違いが」
そんなわけあるか
自分はAIを閉じて会話履歴を、更にアプリを削除した。
それで今肩と背中が凝っている。
2026/02/28
Kohana