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いいカモの話

kohana
·
公開:2026/6/24

6月は自分が変わった月だった。まだ一週間残っているがそう思う。6月の最初の日がとんでもなく遠く感じる。成長できたかはともかく密度の高い月だった。

自分は病気や怪我などでかなりゆっくりめな人生を歩んできたので、これは人生の転換期でこのままま運命が好転するのでは、と期待する。これからは何もかも上手くいって、今までの不幸との帳尻あわせができるのかもしれない。もちろん人生とか運命とはそんなに単純なものではない。

しかし、信じたいなら「これが人生の転換期なのだ」と勝手に信じればいい。違っていたら(その可能性の方がずっと高いのだが)こっそりがっかりすればいいのだ。そしてもし本当に幸せや成功に繋がったら、そのときに「今にして思えばあの2026の6月が」と自分語りでもなんでもすればいいのである。信じるのは自由だ。

ところが自分はそれでは収まらない。つい占いなどをしてみたくなる。タロットでも西洋占星術でも四柱推命でも算命学でも、そのほか今まで耳にしたことのないものでも何でもいい。そして、そのうちのどれかに「今はまさにあなたの運命が開けるときです」などとと出ないかと期待する。西洋でも東洋でも中東でもオセアニアでもどこでもいい。どこかの神様だか精霊に、自分の運命を保証して欲しいのだ。自分ひとりで信じるだけでは心許ないし、忖度してそうだそうだと言ってくれる友人や家族はありがたいが信用はできない。

更に、ちょっとしたお守りのようなものを買いたくなる。たとえばブレスレットとか小さい置物とかペンダントなどである。それを頻繁に眺めて、今のこの大きな扉が開いてゆくような気持ちを思い起こしていたいと思う。

こうした人間はスピリチュアル商法のカモになりやすい。実際、十代の頃からちまちまとそうしたものを買っていた。大量生産の安物ばかりだったが総額はどれくらいになるのだろう。

今はその手のアクセサリーより本を買うことが多い。注文して届く頃には気持ちが冷めているし、そもそも今の自分は肩こりやヘルニアでアクセサリーを長くつけられないのだ。買ってもしまい込むか壁に飾るだけである。そもそも効果は最初から信じていない。

昨夜から今朝にかけて、前から読みたかった本を思い切ってまとめ買いした。ちょうどセールが始まっていた。結局いいカモである。

せめてこの6冊を読み終えるまでは、書店とか本屋とか古本屋とかについて考えないようにしようと思う。

2026/06/24

Kohana

@kohana
エッセイとAuto fiction。 自分の言葉を取り戻すリハビリのために書いています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。