そろそろ来年の手帳やカレンダーについて考える季節だ。
自分は4年ほどカレンダーノートを使っている。その名の通り、小さめのカレンダーがそのままリングノートになったものだ。その月のページを開いておけば卓上カレンダーになるし、それぞれの日付に予定を書き込めるし、ひっくり返すと普通のノートになっているので、そこに必要なことを書いておける。便利だ。数年もすると自分なりの使い方ができてくるから、わざわざ変える気にならない。
でも、来年は別の手帳にしてもいいかな、と先週ちょっと考えた。某有名ブランドから『ちいさいおうち』デザインの手帳が出ると知ったからだ。
この絵本は多分、自分の人生で最初の愛読書である。保育園に置かれていたものを繰り返し読み、見かねた両親が買ってくれたものもボロボロになるまで読み、いい大人になってから懐かしくなって買い直した。筋金入りだ。
しかし、その有名な手帳は結構高かった。文房具の値段なんて上を見ればきりがないが、使い慣れたカレンダーノートは1冊1000円以下である。数倍の金額を出して、使いこなせなかったらどうしよう。そう躊躇うのは歳を取ったということか。
悩みながら特設サイトを見ると、その手帳シリーズには格言とか生活のヒントとか、コラムのページなどがあるらしいとわかった。こうしたものが好きな方にはたいへん申し訳ないが(自分も以前は好きでした)だめである。なんというか、脳みそがむず痒くなってしまう。きっと自分の精神が歳とともに薄汚れてしまったせいだ。
それでけっきょくその手帳の購入はやめたのだが、そのあとも数日スマホを開いては、あれでもないこれでもないと悩んでいた。理想をすべて並べると、ぴったりくる手帳はなかなかない。夜遅くまで検索して、疲れてベッドに入ったとき、もういいや、となってしまった。つまり、今までと同じカレンダーノートを買って、更に2ヶ月前から始めた、カレンダーアプリで語学学習のタスク管理をする、という方法を続けることにしたのだ。短い童話をひとつ読むとか、外国の新聞の記事を途中まででもいいから頑張って読むとか、フランス語のコースを3つ進めるとか、細かいタスクを書いて、こなしたらチェックマークを付け加える。リマインダーは済んだタスクは基本的に消えてしまうけれど、カレンダーだとずらっとチェックマークが並ぶのがいい。単純だがテンションが上がる。
カレンダーはこれ、というものがあったのだが、品切れ入荷未定の状態なので12月までは待つつもりでいる。
最後に、『ちいさいおうち』は、おうちが昔建っていたような素敵な田舎に連れて行ってもらい、めでたしめでたし、となるのだが、自分は初めて読んだとき、「でも、時間が経ったらここにもたくさん家ができて、ごみごみした街になってしまうのでないか、そうしたらおうちはまたどこかの田舎に引っ越すのだろうか、そんなことをいつまでもいつまでも繰り返すのだろうか」と考えて心がざわつき、眠れなくなった。すぐ眠れなくなる子供だったのだ。そして、そのざわつきが好きで繰り返し読んでいた。他の子供はそうは考えなかったのだろうかと、ずっと不思議に思っている。
2025/10/02
Kohana