少し前にも書いたがボールペンが苦手だ。ジェルインクではない、油性のボールペンの話である。
以前からあれは書きにくいと思っていた。しかし、そんなことを言う人はどこにもいない。油性ボールペンは一般的な筆記用具として普及している。どこに行ってもあのペンが出てきて、サインをしたり必要事項を記入したりすることになる。そのたび自分は普段より数倍下手な、読めるか読めないかぎりぎりの字を苦心して書き、「こんなはずでは‥‥」とがっかりしながら書類を提出している。
なぜ油性ボールペンはあんなに書きにくいのだろう。ジェルインクのものやサインペン、鉛筆や万年筆とボールペンは明らかに違う。ペン先が滑るというか、浮くような気がして、日本語特有の“留め”や“跳ね”や“払い”がうまくできない。だから字がぐにゃぐにゃするし、漢字は特に書きにくい。文具業界はサラサラした着心地をアピールするが、あれは日本語には向かないのではないか。日本語に相応しいペンはサラサラではなくカリカリである。
10年以上前、某大型掲示板で同じ悩みを持つ人たちに遭遇したことがあった。サラサラとカリカリで盛り上がっていると、すかさず横やりが入った。彼(または彼女)によれば、私たちは筆圧が高すぎるんだそうである。正しくペンを持つ人間はボールペンでも問題なく書けるのだ。
たしかにあの油性ボールペンでも、ちゃんと字を書ける人はいる。自分の筆圧が高いのも事実だ。そのせいで5年ほど前に指の筋を痛め、以来ペンの持ち方がに癖がついて、ますますボールペンが苦手になった。
実は昨日もその苦手なペンを差し出され、急かされながらあれこれ記入した。暗くなってから家に帰ると、郵便受けに紙包みが入っていた。数日前に注文した某文具メーカーのボールペンだ。上に書いたように油性ボールペンは苦手だし、1.0ミリのペン先は太すぎるんじゃないかと思ったのだが、どうしても欲しくて注文したのだった。
さっそく開封し、箱から出して書いてみる。書きにくい。自分の一番苦手なタイプのボールペンである。ただ線は細かった。万年筆やジェルインクペンと、油性ボールペンの1.0ミリは違うらしい。
ペン先は書きづらかったが、ペンの形は持ちやすい。指が当たる部分に角がつけられていて、自然に正しい持ち方になる。そのせいか字は少しましだった。
昨夜はその、書きにくいのか書きやすいのかわからないペンで日記を書いた。中のインクを使い切る頃にはサラサラのペンにも慣れるだろうか。
2026/10/03
Kohana