凡人の理由

kohana
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公開:2025/10/6

やっぱり某有名な手帳を使うことにした。

今までの経緯はこちら

いきなりの方針転換である。社会活動家なら「お前、転んだな!」と仲間に罵られるだろうし、政治家なら支持者から総スカンを食らうに違いない。でも自分は活動家でも政治家でもない一般人だから、別にいいのだ。凡人最高である。

きっけかけは、来年度からちょっと面倒な役目を引き受ける羽目になったことだった。正直そんなに忙しくない。そんなに大変でもない。でも誰かがしなければならず、たまたま自分の番が回ってきた、というくらいの話だ。だから納得して引き受けたのだが、帰宅後に気分はどん底まで落ちてしまった。気持ちだけでなく身体まで重くなった。こうした現象は不思議である。どうしてもベッドから起きられない。そのせいで久しぶりに首のこりが復活した。

ゴロゴロしているうちに、この憂鬱の理由がわかってきた。自分は中学の時、「言葉と態度によるいじめ」を受けていたのだが、その具体的な方法が、班長など責任のある立場を押しつけ、でも言うことには従わず、先生が「その班、何をしているの」と注意をすると、すべて私のせいにしたり、あざ笑ったり、ときに恫喝したりする、というものだった。

先生にはこのいじめは理解されなかった。こうしたことが続いたせいで私は萎縮し、心を病み、挙動不審な生徒になった。変な奴だからいじめてもいいんだ、という理屈でさらにいじめられた。

この経験はとっくに乗り越えたはずだったが、今回の件がきっかけで恐怖感が復活したらしい。そう気がつくと(ひょっとしたらただのこじつけかもしれないが)なんとなく気分が楽になった。

そして、来年度からは他の点でも忙しくなりそうだし、やはり手帳を変えようという気持ちになった。サイトをあれこれ見ていると、例の手帳の嫌だと思っていた要素も、そうでもないと思えてきた。ユーザーさんの独特のキラキラ感は引っかかるが、自分は自分のやり方で使えばいいのだ。よし、来年はちいさいおうちの手帳だ。

アナログに戻ろうということはずっと意識していた。この点では友人の方が成功し、スマホの利用時間を大幅に減らしている。それに、事故の後遺症のヘルニア(肩から手に掛けて痺れがある)も改善してきたから手書きの練習をしたいし、なんでも機械に任せず、もっと自分の脳の処理能力を信じてみたいとも思った。子供の頃はスマホなんてなかったのだ。

といっても、さすがにすぐには使いこなせる自信がない。悩みに悩んだ末、2025年のものを半額以下の値段で、更にポイントを使って数百円で購入し、まずは今年いっぱい使ってみることにした。

こうしたときにすぱっと思い切れないから、自分は凡人なのだ。

2025/10/06

Kohana

@kohana
エッセイとAuto fiction。 自分の言葉を取り戻すリハビリのために書いています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。