春が来た

kohana
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公開:2026/3/10

ここ1週間ほど異常な眠気に悩まされている。とにかく眠い。いくらでも眠れる。休日は昼も寝る。夜も寝る。それでも眠い。ぼんやりしている。自分は外面がいい方なので傍目にはそう見えないだろうが、とにかく1日ぼーっとしている。ぼーっとしながらするべきことはそつなくこなし、ぼーっとした脳の1割くらいでイランとウクライナと国内政治とアルテミス計画と来るべき未来について考えている。

しかしなぜこんなに眠いのかわからない。春が来たせいだろうか。日本人は春には眠くなるものである。春眠暁を覚えずという言葉があるくらいだ。しかしあれは朝の寝覚めが悪いという意味ではないのか。24時間眠いのはちょっと違うのではないか。それに春といってもあくまで暦の上の話ある。今朝は山にも庭にもうっすら雪が積もっていた。寒波のときに比べればかなり楽だが、まだ春とは言えない。

眠い。

あくびをしながら今朝、リビングに積まれた服の山を見た。セーターと数種類のカーディガンとガウンと着る毛布が脱ぎ捨てられている。行儀が悪い。父が見たら激怒するだろう。しかしこれには理由があるのだ。

12月から自分はずっと、酷い肩と首のこりに悩まされていた。実はこれは毎年のことである。冬になると服が重くなって肩がこる。事故の後遺症のヘルニアもあり、上着やセーターを着るのさえ辛くなる。少しでも負担の軽い服装を求めて脱いだり着たりを繰り返すことになる。外ではもちろんそんなことはできないため、家に着くなり厚いコートやその他諸々を豪快に脱ぎ捨ててシンプルなワンピースに着替える。解放感のあまり片付けなど頭にない。これはそうしてできた山なのだ。

しかし実はこれがすべてではない。更に以下のような事情がある。

冬になると湯冷めが辛い。だから風呂から上がるとドライキャップをかぶり、パジャマの上にフード付きのガウンを着て、更に靴下をはいてベッドに潜る。こうなったらもう出る気はない。でも髪で枕が湿るのが嫌なので、クッションや巨大な熊やツチノコのぬいぐるみを背中に当てて、本を読んだりスマホをいじったりしてだらだら過ごす。この時点で肩と首は右にねじれてとんでもない姿勢になっている。3日に2日はこの姿勢のまま寝てしまう。

12月からの慢性的な肩こりと首の痛みはこのせいだろう。病院のリハビリメニューをやっていたがすっきりせず、ストレートネック用の体操でしのいでいた。手にも麻痺が出てきていて、正直通院を考えていたのだ。それが今、嘘のように治っている。

多分こういうことだ。2月の末から暖かくなったので、即座にベッドに飛び込むことをしなくなった。髪もちゃんと乾かし、クッションやぬいぐるみも使わず、枕だけで正しい姿勢で眠るようになった。それで首のこりというか、言ってみれば“慢性的な重度の寝違え”が取れたのだ。

冬の間自分はずっと睡眠不足で、更に痛みのせいで慢性的な疲労が溜まっていたのだ。ある意味この眠気はまさに春のせいだといえる。春のおかげで正しい寝方ができるようになり、痛みが取れて今までの疲れがどっと出たのだろう。

そういえば去年もそうだったっけ。来年は同じ間違いはしないようにしよう。手帳に書いておくか。でもきっとまた同じように寒さに負けて寝違えをするんだろう。

とりあえず上着とニットを集めてクローゼットにしまった。雪も溶けて春が来た。

2026/03/10

Kohana

@kohana
エッセイとAuto fiction。 自分の言葉を取り戻すリハビリのために書いています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。