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あんな風に本を読みたい

kohana
·
公開:2026/10/10

憧れている本の読み方がある。

ひとつは季節に合わせて本を選ぶことだ。自分の誕生日だからこの本、クリスマスだからこの本、ハロウィーンだからこの本。そんなふうに本を読む。

しかし難しい。自分が本を読まないからでも、本を持っていないからでも、本を買う習慣がないからでもない。逆である。

自分は水を飲むように本を読み、大量の本を所持し、処分した翌週から同名の本を古書か電子書籍で買い直す人間である。いつも本を読んでおり、読みたい本が大量にあるので、タイミングを計る余裕がないのだ。

もうひとつは図書館のあるホテルやブックカフェを利用することだ。

そのタイプのホテルの紹介を以前読んだことがある。チェックインしたはいいが、散歩や買い物や食事を楽しむばかりでなかなか読書が始まらない。なぜなのか。自分なら図書館に直行して籠もりきりになるはずだ。しかしどんなに籠もっても、一泊や二泊ではたいした冊数は読めないだろう。充分に楽しむなら長期滞在が必要だが、時間的にも金銭的にも難しい。それに、帰るときに読みかけだった本はどうするのだろう。覚えておいて買うのだろうか。その本が品切か絶版だった場合は? そんな余計なことを考えているうちに興味が薄れてしまった。

いつも何か読んでいると書いたが、問題は読む順である。ハードカバーに文庫にソフトカバーに電子書籍、海外作品に国内作品、小説に文学、自伝やエッセイ、ルポルタージュ、専門書に政治や経済入門書。コミックや絵本や雑誌のバックナンバー。未読と既読、途中でやめてしまったもの。これらを満遍なく、バランスよく読むにはどうすればいいんだろう。悩みに悩んでルーティンを作っていた時期もある。

何も考えずに次の本を手に取れればいいのだが、迷い出すと何分経っても決まらない。ずっと積んでおいたこれを読もうか。でもつまらなかったらどうしよう。あれは面白いけど何回も読んでいるし、向こうの本は長すぎて、そっちの本は軽すぎる。どの本も読みたい気もするし、全部が読みたい本とは違う気がする。

ああ時間の無駄だ。

そんなわけで、今は某読書管理アプリのルーレット機能を使っている。読みたい本を登録すると、カード占いのように次に読む本を引くことができる。便利だ。

いろいろ書いたが、自分も憧れの読み方が全くできないわけではない。今月は本を読み終えたタイミングでハロウィンが近いと気づき、プロイスラーの『小さい魔女』を手に取った。半人前の魔女が1年間、“よい魔女”になるための修行をする話で、小さい頃からの愛読書だ。

ブックカフェにも一度お世話になったことがある。自分が以前住んでいたアパートがエレベーターの修繕を行った時だ。帰宅時間には終わっているはずだったのに、工事が長引き入れない。非常用の外階段を使うしかないのだが、自分は重度の高所恐怖症である。そんなわけで近くのブックカフェで以前から気になっていた文庫本を三分の一ほど読み、買って帰った。

今やってみたいのは、現実のカレンダーに合わせて指輪物語を読むことだ。海外のファンアカウントで知った読み方で、来年は時間を作ってチャレンジしたいと考えている。

でもその前にホビットの冒険を読んでおきたいし、どうせならトールキン挿絵のホビットの冒険が欲しいし、そもそもその日の分だけ読んで辞めるなんて器用なことができるのか自信がない。

こんな風に余計なことを考えるから駄目なのだ。

2026/10/10

Kohana

@kohana
エッセイとAuto fiction。 自分の言葉を取り戻すリハビリのために書いています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。