安定したいという話

kohyang
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事実、安定している人間の方が優れている。

精神的な安定、経済的な安定、人間関係の安定、発言内容の安定、何をとっても安定が大切だ。私がそう思っているわけではなくて、そういう価値観が世に広く膾炙しているという話。私たちは生き物なので、生き物は不安定な存在だ。その不安定さを律するからこそ安定は強みなのだ。そして私たちは生き物なので、強いことはいいことなのだ。だから、安定している人間の方が不安定な人間よりも優れている。私も安定したい。

安定したいと思うが、同時に不安定さも愛している。この考えのおよそ八割方はナルシシズムに由来するものだと思うが、私は不安定な自分がどうしようもなく好きなのだ。恥ずかしい話だ。自分でもわかっている。罵るなら罵るがいい。しかし事実なのだ。そしてこの事実のうまい落とし所を見つけるのが、私の人生の向こう十年くらいの主題になるような気がしている。そこから目を背けていると、やがて解決がとても難しい問題によって身を滅ぼすことになりそうだと、今のところは思っている。