長いことベランダは心の落ち着け先でした。
そこそこ波乱の多い人生を送っていたローティーン~ハイティーン時代、しょっちゅう息継ぎが必要だったわたしは夜寝る前に家中の灯りを消してからそうっと網戸を開けてベランダへ出るのをほとんど日課にしていました。音を立てないようにサンダルを足にひっかけて深呼吸して空を見る。
ほんの数分そこにいるだけ、ただの儀式のようなもので、そこへ行くとそれだけであれこれモヤモヤしたものが少しラクになるのでした。
もちろんそれで嫌なことや重たい気分がスッキリ晴れることはないんですが、なにかの切り替えポイントにはなっていたんだろうと思います。
まあそれも対症療法のひとつでしかなく、あとあと色んなものを色んな形に置き換えていく過程でわたしはベランダに出なくなり、かわりにたくさんの心の落ち着け先を得たのですが。
でもたまーに出たくなります、あのベランダ。