2023年の12月、トルコへ7泊9日の新婚旅行に行きました。
旅程
旅の前半はイスタンブールに、後半はカッパドキアに滞在した。
旅行プランはトルコツアー専門の旅行会社とガイドさんにお任せした。旅行会社から提供されているプランには3都市以上を巡るものが多く、移動ばかりで疲れてしまいそうだったので、2つの都市に3泊ずつ滞在するプライベートツアーを組んでもらった。ガイドさん、運転手さんと一緒に16時ごろまで各地を周り、夜は2人でレストランや飲み屋に繰り出す。最後まで快適な旅だった。
イスタンブール
イスタンブールは石の街。大理石やタイルでできたジャーミイ(モスク)が都市部に点在し、ほとんどの店舗も古いヨーロッパ建築の中に構えている。看板や売り物でカラフルな街並みからも、どこかざらざらとした印象を受ける。
さまざまな姿の人が街を歩いている。トルコ人には混血が多く、目や髪の色が一人一人違う。これがトルコ人の顔つきだ、といったものは無いように見える。他にも、中国やヨーロッパから観光に来たと思われる集団や、紙袋を抱えた裕福そうなアラブ人の女性たち、シリアからの難民など、人だけを見ているとどこの国を歩いているのかわからなくなってくる。
これはイスタンブール旧市街にあるアヤソフィア内部の写真。アヤソフィアは元々キリスト教の聖堂として建築され、その後オスマン帝国によってモスクとして改築された。当時のキリスト教の聖母子画は剥がされることなく、白い布で覆われている。
今もモスクとして利用されているので、女性は髪を布で隠して入場する。ただこのルールは形式的なもので、厳密に隠すことが求められているわけではないようだ。モスクの入り口付近には布を販売している売店があり、観光客が誰でも入れるようになっている。2つの宗教が混在している上に、一人一人の信仰の厚さも様々だ。
広場を挟んで反対側にはトプカプ宮殿がある。本邦ではまず見ることのない、石造りの巨大な建築物である。世界中から集められた、さまざまな模様の大理石や鮮やかなタイルがこれでもかというほど使われている。その豪勢さにただただ圧倒されるも、どこか静謐とした印象も感じるのは石の冷たさのおかげか。
写真のソファに向かって右に見えるのは蛇口で、水を流しておくことで王室の会話が外に漏れ聞こえないようにするためのものらしい。宮殿の音姫の存在に笑いつつ、当時の水道技術のレベルの高さに驚く。イスタンブール地下には地下宮殿と呼ばれる巨大な貯水槽もある。
眠らない街と言われるイスタンブールは常に活気に溢れている。ガラタ橋は早朝から釣り人で賑わう。釣った魚は橋の下のレストラン街で提供されるらしい。
またグランドバザールやイスティクラル通りには派手な店が立ち並び、人の往来も激しい。日本で例えるなら、それぞれ上野アメ横や渋谷といったところか。ただ心なしか、一部の人気店を除いて店の中はそれほど混み合っていないように感じられる。いわゆる観光客向けの店が多いのかもしれない。通りを歩いていると同じような店が何度も現れることに気づく。コピー&ペーストされたような風景に目が眩む。
食事
トルコ料理は世界三大料理の一つに数えられるものの、フランス料理や中華料理と比べるといまいち影が薄い。実際、Wikipedia の世界三大料理の項目において北京ダック、フォアグラと対置されているのはドネルケバブである。宮廷料理にしてはなんともカジュアルだ。
それでも、トルコで食べた料理はどれも感動的に美味しかった。ハーブを混ぜて焼いたケバブや、スパイスやレモンの香りのする魚のスープなどは、香辛料やラム肉、フルーツなどの味や香りの強い素材が奇跡的なバランスで成り立っているような美味しさだった。
これはカッパドキアの Millocal Restaurant で食べたザクロとチーズ、ルッコラのサラダ。ザクロの酸味がさっぱりとして美味しく、プチプチした食感も食べていて楽しい。日本で再現しても美味しかったが、トルコの方がザクロの値段は何倍も安いそうだ。
イスタンブールのガラタ橋周辺、 Karaköy Afrodit Restaurant でいただいた白身魚のスープ。トルコでは香草が山積みで売られていたり自生しているのを見た。このスープにもディルがたくさん入っている。
カッパドキアで食べたシュークリーム。写真だと分かりづらいが、チョコレートの量が尋常ではなく海のようになっている。 トルコ人はおよそ6人に1人が糖尿病と聞いたが、それも納得できる甘さと量である。食べると気分が高揚していくのがわかる。おかげでカッパドキアのトレッキングもまったく苦にならなかった。
後編はカッパドキアについて書く予定です。