映画はこういうのでええんやでと言われたような。劇中の悲劇や奇跡が、典型的でご都合主義のように見えなくもないけど、描き方や演技がさらりとしているおかげで、すとんと腹に落ちる。いい意味で裏切られない。
人物の会話が少ない分、表情の微妙な変化やフィンランドの街の風景に目が行く。アンサが盟友であろう同僚と握手した後、暗い街中を寂しくもたしかな足取りで歩いて行くシーンがお気に入りです。
二人とも裕福とはいえず社会からもはみ出しかかっているよう存在だけれど、周りの人たちはそんな二人に少しだけ優しい。その絶妙な優しさを私は与えられるだろうか?