

先日、川崎市岡本太郎美術館に行きました。岡本太郎の作品は何度も観たことがあるし、大阪の万博記念公園も数回訪れている。この美術館では、芸術家としての岡本太郎の姿だけではなく、書道家、陶芸家の姿やプライベートの姿をひとつひとつ解説していて、より岡本太郎という人物について知ることができた。高台にあって少し行きにくい場所にあるけど、自然にあふれた環境でとてもおすすめです。改装でしばらく閉まるそう。
今まで岡本太郎の書いた本は読んだことがなかったのだが、良い機会だし!!とミュージアムショップで1冊、『自分の中に毒を持て』を購入した。

私が好きな『タローマン』というテレビ番組に、岡本太郎の言葉がいろいろ出ているのだが、それらの言葉が、このエッセイ本に入っている。短い文章で書かれていて、一つひとつの言葉がとても鋭い。岡本太郎は猛烈で強烈で、「烈」という言葉が似合う人だと感じた。破天荒に見えるけど、筋が通っている。その言葉が、こうはなれないけど、そうかも、と思える。
読み進めながら、もし自分だったらどう考えるか、どう行動するかと何度も考えさせられる。ページを巡りながら、岡本太郎からボールを貰っている感覚だった。自分自身を見つめ直すきっかけになった。
岡本太郎は現東京芸大を中退し、両親のヨーロッパ旅行に同行。パリで両親と別れて10年程度滞在している。そこでの芸術家・思想家たち(マックス・エルンストやジョルジュ・バタイユなど)との交流も書かれている。ナチスがパリを占拠する前に日本に帰国したが、日本は太平洋戦争に突入。従軍の記述はほぼなく、あまり書きたくないとあった。川崎市岡本太郎美術館で、上官の肖像画を描く岡本太郎の写真が展示されていたが、どのような気持ちだったんだろう…と考えた。
「いのちを賭けて運命と対決するのだ。そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。」と冒頭にあるのだが、何かに対するというより、まず自分自身。とにかく自分を見つめてる人だなというのが、言葉のはしばしから感じられる。岡本太郎がどう思っているのか、どう生きているのかを、ひたすら書いている本だった。