ブローガスト9本目。Blueskyのお題募集箱タグより。建造物といっても意味が広いので、美術館に絞ることにした。建築について詳しいわけではないので、建築様式がどうとか、構造がどうとかいう話はなく、この空間が好きという話が多い。もはやただの美術館語りになっているところもあって、お題から少し外れているかもしれない。東京に住んでいるので、取り上げるのも必然的に東京近辺の美術館が中心です。
旧神奈川県立近代美術館 鎌倉館本館

好きな建造物というと真っ先に浮かぶのが、旧神奈川県立近代美術館鎌倉館本館だ。通称カマキン。鶴岡八幡宮の敷地内にある。モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエに師事した坂倉準三が設計。一時は取り壊しの話も出ていたが、2020年には国の重要文化財に指定され、現在は鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムとして使われている。


高床式住居のように地面から少し浮いた建物で、展示室はロの字型に配置されている。中央には中庭があって、そこにはイサム・ノグチの作品が置かれていた。この建物の中に中庭があるというつくりが好きだった。天気のいい日に行くと、中庭に光が入って、建物の白さが際立つ。

一番お気に入りなのは、蓮池の波が映るピロティ。建物の下の空間から蓮池を眺めると、水面の揺れが天井にゆらゆらと映る。ずっと見ていられる。展示を見終わっても、そこでしばらくぼーっとしていたくなるような場所だった。建物や空間そのものが好きになったのはカマキンが初めてだった。
取り壊しの話が出ていた頃は、なくなってしまうかもしれないと思って、かなり頻繁に通っていた。作品を見に行くというより、この空間にいられるうちに、もう一度見ておこう!という気持ちだった。その後、保存されることになって、またこの建物に入れるようになったのが本当に嬉しかった。建物を残すって、大変なんだろうなと思う。
ちなみに、神奈川県立近代美術館の葉山館もものすごく良いです。海沿いにあって、展示室の窓から海が見える。見える景色もひとつの芸術になっている。
国立西洋美術館

ル・コルビュジエの設計。上野にあって世界遺産に登録されている。シンプルなんだけど、ただ簡素というわけではなく、どこを見ても線や形がきれい。広々とした上野公園の中に、建物が置かれている感じも好き。中に入ると、吹き抜けの空間やスロープなどがあって、建物の中を歩くこと自体が楽しい。普遍的なデザインというか、今見てもかっこいいなと惚れ惚れする。
横浜美術館


カメラロールを探したけど、外観の写真が見つからなかった。横浜美術館は丹下健三の設計で、シンメトリーの外観が美しい。館内には大きな吹き抜けの「グランドギャラリー」がある。
みなとみらい駅から商業施設を抜けて、グランモール公園を挟んで、ドン!と横浜美術館が見える。グランモール公園では、子どもが遊んでいたり、ベンチで休んでいる人がいたりして、美術館だけが特別な場所として切り離されていない。街の中に美術館があって、美術館の周りにも人の生活がある感じが好き。横浜って、こういう都市設計が本当に良いなと思う。
東京都現代美術館
ここは吹き抜けの空間が気持ちいい。昔、館内に人をダメにするソファみたいな、ものすごく柔らかいソファが置いてあった時期があって、企画展を見て、常設展に移動する前にそこで休憩するのが好きだった。そこでぼやぼやしてまた展示を観に行く。私は現代美術が好きなので、大学終わりによく行く美術館だった。
東京国立近代美術館
皇居のお堀沿いにあって、日本の近代美術を見たいならここに行け!という美術館。季節やテーマに合わせて展示替えが行われている。何度行っても少しずつ違うものが見られるので、以前はよく通っていた。休憩スペース「眺めのよい部屋」の窓から見える、皇居の緑や丸の内のビル群を眺めながら、よくボーっとしていた。ぼんやり反芻する時間が好きなので、休憩できる場所がちゃんとある美術館がやっぱり好きです。ここで休憩するのをおすすめします。
原美術館
品川にあった現代美術館で、2021年に閉館し、取り壊されてしまった。1938年に建てられた邸宅を美術館として再生した建物で、現代美術と洋館という組み合わせがとても好きだった。奈良美智の作品が並ぶ子ども部屋とか、トイレを作品にした展示があった。カフェスペースから見える中庭の芝生が青々と輝いていて、美術と建物空間の融合が良かった。
番外編


美術館と自分で縛っておいて……なんですが、彩の国さいたま芸術劇場も好きです。吹き抜けは用事がなくても歩きたくなる。吹き抜けの空間は、一般人も入れるんだけど、楽屋やレッスンスタジオの入り口にもなっていて、演劇の開演前にぷらぷらしていたら、その演劇の演出家の方と目があってしまったことがある。
私は作品や周りの自然と融合していたり、誰にでも開かれた空間というのが好きなのかもしれない。