いらっしゃい。ウイスキー、ハイボールで。
今日は仕事先から自宅までの移動時間に普段通らない路地裏をとおってみるなどした。そこは飲み屋街というかいわゆる夜の街。ぬるい風とともにたばこのけむりや化粧のにおいがほんのりただよってくる。なんだかあやしげなお店が入ってそうな雑居ビルの谷間をのんびり歩く。

※画像はフリー素材
かっこつけたホストクラブの大きな看板の男性の目線は、あんまりにもアレで笑ってしまう。昔ながらのスナックの文字だけの小さな看板にはどこか懐かしさも感じ、つい目で追ってしまう。どういうきっかけがあればこれらのお店に入れるのだろうか。
髪の色を明るく染めた出勤前の例の看板の男性たちや、まだ4月末なのにノースリーブと短パンのいでたちで歩く異国の出身かもしれない女性たちとすれちがう。ちょっとけだるそうに、これから始まる土曜の夜に向かっていく彼らとは逆方向に歩きながら、ふと考える。私がこういう街の光を浴びて過ごす世界線もあったのかな。まったく縁がないまま生きてきてしまったけれど。
高校生のとき親に反発したくて行ったディスコ。大学合格後にひとつ上の先輩に連れられて行った1杯+つまみで2000円はとられるスナック(コンプライアンス的にゆるかった時代…時効にしてください)、新卒で入った会社の飲み会、三次会で上司が連れて行ってくれた不思議なバー。今思えばマツコ・デラックスみたいないでたちのおもしろい店長さんだったが、1000円札をねじってオネエさま方の胸元に入れるパフォーマンスタイムは、当時の私にとって刺激が強すぎた…
数少ない経験だからか、そんな不健全かもしれない記憶を取り出しては楽しむ。ちょっとまわり道して夜の街を歩きたくなるのは、何かへの反発だろうか。高校生みたいだな私。と自分にツッコんで帰路に就く。
さあ戻ろう、私の日常に。