ずっと世界の終わる音

わも
·

二分の一成人式という、十歳のときにやった小学校の行事がある。親を呼んで、将来の夢を発表して、十年後にどんな大人になってると思うかなどを書いた厚紙を渡す。本当に将来の夢がなかった。そもそも人前で発表するのが本当に嫌いだったし、将来なんて考えたくもなかった。そんなことより、今目の前で起きている自分の問題をどうにかしてほしい状況にいたからである。それは置いておくとして、とにかくまぁ嫌いだったのだ。本を読まなかった私は、その数年後にぼんやりと教師になりたいと夢らしきものを据えて文字を書き始めるし、今は何にもなっていない。そもそもなりたいものがないのはずっと変わらない。大人というものはもっとちゃんとしていて、色々なことを考えるのだと思っていたが、ただ世界が広がった中にぽつりと自我が浮遊している。