少年少女絡みの性犯罪のニュースを見かけると、時々自分の身にもあったことを思い出してはキモくなってしまう。
と言ってもそんなに大袈裟なものではないのだけれど、そもそも「そういう土俵に上げられた」という事実がキモい。
ひとつは、満員電車でよく一緒になっていた若いビジネスマンに電話番号を渡されたこと。わたしが中2の時の話である。キモい。中2のわたしは背が140cm台で、どうみても13〜4歳にしか見えない顔面をしていた。同じ駅を使うその人は、ネイビーのコートにバーバリーのマフラーを合わせていて、いつもパリッとしていて清潔感があり小柄ながらおしゃれな印象のひとではあった。
満員電車は不可抗力で見知らぬ人間同士が密着することになってしまう空間であり、我々の使うその電車も例外ではなかった。一度その人と正面で向き合うようなかたちになったことがあり、なんとなくイヤな感じがしたあとの出来事なので、彼を変な気にさせてしまったのは満員電車のせいにしよう。
電話番号はもちろんすぐに捨てたし、電車に乗る位置を変えて路線が同じ友達と通うようにした。幸いわたしは痴漢被害には遭ったことがないのだが、そのおかげなのか電車におけるキモい思い出のトップに君臨し続けてしまっている。痴漢ではないが、社会人が中学生に電話番号を渡して、向こうさえ良ければ恋愛相手にしようという発想が、それはもうシンプルにキモかった。
どこをどう見ても中学生だぜ?
いや、恋愛相手かどうか相手の目的は知らんが、電話してたらどうなってたの。イタズラ電話する気にもならんかったので、多分この話は誰にもしていない。
中学から女子校に通い、男性全般への接し方がまるでわからなくなっていた時期だったのでキツかった。
ああ、そういえば同じような頃に、学祭で全く面識のない中3の先輩が教室にやってきて、「この子と喋って!」とこれまた見ず知らずの男友達(多分どっかの学校の3年生)を連れてきたのもワケがわからず恐かった。誰やねん of 誰やねん。
学祭で多少浮き足だっていて、わたしはその日たしかおかっぱ頭にイチゴのヘアゴムを付けていたのだ。ロリータファッションが流行っていた時期である。わたくし顔だけは可愛いので、ファッションはさておきその見ず知らずの男の子の目に留まったんだろうが、そんなおぼこい子選ぶかな。
ご機嫌に遊んでいるおぼこい女を勝手にそういうフィールドに上げるのは本当に勘弁して欲しい。
おかげで男女交際のアレコレがわかるのに随分と時間がかかり、20代の後半からが一番荒れた。当時よく遊んでいた女友達には「わたしは思春期が10年遅い」とボヤいていたが、「女として見られる」ことに慣れるのに時間が掛かったんだと思う。(←こういう言い方をすると、結局男優位の価値観に屈服した、みたいに思われるんだろうけど、まあそれは事実で、分かった上で充分楽しんだのでわたしのなかでは両成敗でヨシとしている)
結婚したことでそういうフィールドから降りられたのは助かった。もうあんなもん、妄想の世界で充分。思い出だけを吸っておく。