家に一人きりになれる時間がないと、どんどんストレスが溜まっていく。部屋に一人きりでいてもダメ。家に自分一人だけという状況でないとエネルギーを回復できない。
小さい頃は母子家庭で、母は夕方5時ごろになると仕事に行く支度を始めていた。私はお風呂に入りご飯を食べ、テレビを見始める時間になると母が仕事に出かける。そのあとはずっと一人きり。本を読んだりテレビを見たりして夜9時になると一人で布団に入って寝ていた。いつも一人でいたので自然とエネルギーを回復できていたのかもしれない。
自分は一人きりの時間が必要な人間なんだと自覚したのは自分の子供ができてからかもしれない。赤子はとにかく24時間ずっと一緒。たまに一人でスーパーへ買い出しに行くような時は、頭では分かっていても何か忘れているような感じがずっとつきまとい、下手すると生命の危機が迫っているような何とも言えない不安に襲われたりする。これが母性本能というものか。
育児中のストレス発散法を検索してみても、ショッピングに行く、運動をする、美容院に行くなどそもそも時間がないとできないことや、自分には全く興味がないことしか出てこない。人それぞれ違うのだからネット検索で答えを見つけようとしている時点で、ストレスのせいで冷静な判断ができなくなっているのかもしれない。
母になってから10年経った今も、家で一人きりの時間を過ごすということ以外のストレス発散法を見つけられていないので実行するのはなかなか難しい。何か手軽にできる方法はないかと考えているうちに子供たちは成長し、自立して巣立った後はあんなに一人になりたかった今の自分を懐かしむのかもしれない。そう思って家族での今の時間を大切にしようと自分に言い聞かせる連休である。