過去に2匹の猫と暮らしたが、今は暮らしていない。ひとり暮らし、頼れる家族が近くにいる訳でもなく、自分の年齢、収入や今後の色々を考えて、もう迎えない覚悟をした。
猫と暮らしていて、良い事は本当に数え切れないほどあるけれど、暮らしてない事で良かったと思えるのはひとつだけ。緊急事態の際の不安はもうない。これに尽きる。
元々大雑把な割には結構想像力は働く心配性。最初の子(三毛猫の風姫・ふきこ)と暮らす前にはひとりで彼女の一生を背負い切れるのかとかなり悩んだ。気ままなひとり暮らし長かったし。でも、暮らし始めたらすぐそんなことはぶっ飛びましたが。
しかし忘れられないのが東日本大震災の時。都内に出勤していたのでひと晩帰れず、家の様子もわからず不安な一夜を過ごした(帰宅したらふきこは怖かったのか押入れに篭っていたけれど、家はそこまでではなかった)。
ふきこ亡き後に迎えたのが茶トラのみかん。その後新型コロナで緊急事態宣言。この時には万が一感染したら何処に預ければと逡巡しながら過ごした日々だった。当時は感染したら他人とは接触できない、今よりも緊迫したムードがあったし。
もう今は帰れなくなっても突然の病で家を空けなければいけなくなっても、万が一孤独死してもOKなのだ!とかなり気楽(孤独死には特に忌避感はない。ただ部屋が大変になる前に見つけて貰えるように取り計らいたいとは思うが)。
しかしひとり暮らしでペットを飼うなとは思わない。何らかのセーフティネットがあって、たとえば年取ってからもペットと暮らして、万が一の時には誰かが引き継げるシステムとかあったらいいのに…とはとても思うけれど。
一生責任を持つと決意し、出来る対策はして、それでも不測の事態はあると思う。今回の震災に事故、色々心が痛くなる話を見聞きする事が多々あった。「一生面倒みられないなら飼うな」は勿論なのだけど、それ以外はなるべく万が一の場合の策は考えた上で対応するしかない。あまり考えすぎると、「この災害国でペットなど飼うな」という結論になってしまうから。
でも、やはり猫と暮らした時間は、不安を抱えつつも、素晴らしくてかけがえの無い時間だったし、それが出来る世の中であって欲しい。そして、不測の事態が起きた時に飼い主が無駄に責められる事がないように祈る。
全ての飼い主さんとそこに寄り添うペット、そして全ての生き物が心穏やかに過ごせますように…。