友達に紹介してもらって観たので感想を書く。
ネタバレ要素普通にあるので要注意。
全体への所感
パリピ孔明は簡単にまとめると「三国志の諸葛孔明が現代に転生して歌手の子を軍師としてプロデュースして成功に導く」という話。
ストーリーはよくある友情努力系のサクセスストーリーだが、それに歴史やクラブ・ヒップホップカルチャーを添えてコメディ感やマニアに刺さるポイントを作っているのが特徴。
後述するように、歴史や音楽系の小ネタがたくさん散りばめられていて、それがわかる人には特に刺さる作品だったように思う。
お話としては「テーマ設定→問題に直面→ピンチに陥るが→孔明の策で大逆転」というお決まりのパターンがあり、良くも悪くも突飛な展開はなく安心して観られた。
葛藤やコンプレックスを克服する様子を見るのが好きなのでKABEくんとななみんがキャラとしては好きだった。
逆に、英子は天真爛漫直球系主人公すぎて起伏が少なかったように思うしあんまり自分の中では印象に残らなかった。自分はキャラの背景を知ることに固執しがちなところがあるので、そういう好みの話はあるかも。
孔明は君主に忠実な賢人という印象で解釈一致だった。この手のキャラは有能すぎて逆に面白くなくなることもあるけども情や茶目っ気を感じる部分があったのは自分としては好印象だった。
三国志要素について
なんと言っても本家三国志の中の出来事や作戦が取り入れられているのが見どころだった。
オーナーが三国志好きで、「この策はまさかっ!」という具合に解説を挟んでくれるのは助かった。
でも、奥さんは最初の石兵八陣以外そんなにしっくりきていなかったので、本当にマニア向けの要素なんだなとは思う。自分もオーナーのリアクションみたいに、「このエピソードはさ〜」と蘊蓄を語る場面も多かった。
また、トピックの選定もバラエティがあって良かったと思う。
泣いて馬謖を斬る、三顧の礼、石兵八陣、呉下の阿蒙なんかは有名どころだけども、張遼と関羽の関係みたいな特定のトピックとして取り上げられないようなものも含まれているのには心を掴まれた。
最後の霧の渋谷の戦いは肝心なところで東南の風が吹いてドカンと決める予想をしたけどそれは見当違いだった笑
こういう予想をしたり「もしやこれは!」と気づく面白さがあるのもパリピ公明の良いところ。
音楽要素について
自分はクラブミュージック好きだしラップバトル界隈もある程度見ていて明るいので、オマージュの元ネタがわかってクスッとくる部分が多いのも良かった。
例えば、英子のスタジオ対応をしてくれたスティーブ・キドの元ネタはスティーブ・アオキで、ケーキ投げるやつも出していたのはあからさまで面白かった。
あとは、KABEくんが対戦した赤兎馬カンフーの元ネタは呂布カルマかな。
赤兎馬というのは呂布が乗っていた馬のことなのでそこがかかっているのと、大戦の最後に降参するのもR指定vs呂布カルマの降参エピソードとかかっていそうで良かった。
azaleaは曲調的にもBabymetalかと思ったけどなんとも言えなさそう。冷徹プロデューサーが「俺がお前たちを売ってやる」って自信満々に言っておいて安直なお色気要素で勝負するのは「企画者としてダサくないか」とは思った笑
ちなみに最後に明かされたプロデューサーの昔のバンドの元ネタはMALICE MIZERのはず。(昔GAKCTがいたV系バンド)
三国志や音楽の関連リンク集
比較的パリピ孔明の元ネタを楽しめた側の人間だと思うので、より余韻を楽しむために、もしくはこれから見る人の準備用にいくつか参考情報を載せておく。
言わずと知れた横山三国志。
顔の区別がつきにくいのが玉に瑕だが、演義ベースで一通り知れるのでおすすめ。
「とてもつらい」みたいなミームがたくさんあるのも面白いところ。

自分が勝手に荒川三国志と読んでいるもの。(荒川先生はハガレンの作者さん)
横山三国志よりももっと手短にざっくり学べるのが良い。挿絵が可愛くてポップな雰囲気なのも自分は好き。
吉川三国志。
小説がなにぶん苦手なもので全部読めていないが、三国志ファンとしてはいつか読破したいと思っているもの。
三国志系作品には珍しく曹操を主人公にした漫画。
曹操ファンの自分はこれが大好き。
登場人物で言うと戦狂いの郭嘉と安心と信頼の張遼がお気に入り。
スマホでできる買い切り型のゲーム。
かなり古いけど武将の量は相当なものだし戦闘も楽しく今でもかなり楽しめる。
籠城している強い武将を倒すのがかなり難しくて、応射持ち(黄忠)、方円持ちの趙雲にはかなり苦戦した記憶。
一応コーエー三国志シリーズの最新作。
かなり考えることも手間もかかるのでそんなにやりこんでいないが、情報の充実度や戦の駆け引きはかなり充実していて面白い。