寒さと疲労のせいで、仕事の退勤ころにはひどく暗い気持ちになっていた。早く帰りたいが、私の２倍働く同僚がまだ残って仕事をしていたので、一応「手伝いますよ」、と声をかけ、大丈夫です、と言われ、ホッとするのに惨めな気持ちになる。ひとと比較したら落ち込むだけだとわかっているのだが。過去の自分と比較して、前向きにやるのが難しいときもある。通勤時間がそこそこ長いので、こういうときは辛い。電車に乗って席が空いていたので助かった。立っていられる気がしなかった。帰宅途中スーパーでなんとか買い物をして、部屋に帰り着いたら簡単に夕飯を済ませる。お腹が満たされて体が温まると、やっと気持ちが楽になっていることに気づいた。あまり明るい気持ちになれない。仕事は覚えてきたし、できることは増えてきたのに、自分よりずっとできる人が側にいるとこんな風に惨めな気持ちになるのだと知った。そもそもの性格も真面目で思い詰める方だから、余計そうなのだと思う。昨日の自分よりできたのだから。と、心のなかで自分を励ます。本当はできなくてもいいんだと思えるくらいになれたら一番いいんだよな。