仕事からの帰り、認知症ぽいお爺さんが道で寝てた。最初は関わらないほうがいいと思ったんだけど、学生さん風のお嬢さんが話しかけて心配してあげてるのをみて、我が身を反省してお嬢さんの側にいき、ふたりで相談して警察を呼んだ。110番で繋がった警察にパトカーが着くまで待機してほしいと頼まれたので、用事のあるお嬢さんには行ってもらってお爺さんと話してた。
パトカーが着いたら、警察を呼ばれたことに怒ったお爺さんがその場をよろよろ立ち去ろうとするので、慌てて呼び止めて、パトカーから降りてきた若い警官とふたりでお爺さんの名前や住所をなんとか聞き出そうとした。埒が明かない会話をしていると、どっしりした中年の警官が合流した。はじめてお会いする方だなあ、とのんびり言うそのひとと、ホッとした顔の若い警官をみたらもう大丈夫そうだと思ったので、帰っていいですか、と言った。それから私の連絡先等かんたんな聞き取りがあって、帰宅できた。
お爺さんはうわ言みたいなことをずっと言っていて、ただうん、うんと聞いていたんだけど、急に「お姉さんの声は優しいね。普通声かけないよ。」というので、なんだか泣きたくなった。立って話しているだけで寒かったし、道に横たわるお爺さんはどんどん冷えていくみたいだった。
お爺さんが無事に帰宅して温かく眠れるといいんだけどね。