日々生活を送る中で、自分の中に自分とは別の「もうひとつのなにか」が存在している気がする。心の中にそのなにかと同居しているような感覚だ。いわゆる精神疾患であるが、かれこれそうなって3年ほど経つ。それ以降、心の状態がかなり不安定になり、気分の落ち込みが定期的に訪れる。常に不安や焦りに追われ、理由もないのに気持ちが塞ぎ込んでしまう。ひどい時にはそれに飲まれてしまい、完全に動けなくなってしまう。
それがどういうきっかけで生まれたのか、どういうかたちをしているのか、なにを求めているのかいまだに掴めない。それによって自らの心の状態を制御することができず、自分が自分ではないような感覚にまでなってしまっている。最初にもうひとつのなにかとそれを形容したが、自分の内側に自分とは別のなにかが存在していると表現するのが一番しっくりくるからだ。自分は自分だと当たり前に思っていたことがそれによって覆された。もはやそれによって自分の中に別の自分が生まれたような、蝕まれていくような、近づけば近づくほど何も見えなくなってしまう。
さすがに3年も経つと、自分自身について、そのなにかについて少しずつ理解できるようになってきた。完全に分かりあうことはないけれど、そのおかげでうまく自分の心をそのなにかと分け合うことができている。今のところそのなにかは全く出て行く気配はないし、たびたび生活が完全に止まってしまうこともある。もしかしたらそのなにかはいつまでも自分の心の中に居座るのかな。いつまで分かち合えばいいのかな。