原作も好き。去年アマプラで配信されてから数回見ている。俳優さんが監督だからか、観客が心を掴む映像の魅せ方や展開を熟知し、活かされているのが素晴らしかった。見るともう一度見たくなる内容にしてあるのが面白い。私もまんまとおかわりしました。
主演のケネス・ブラナーが監督も務めていて、『ハリーポッターと秘密の部屋』のロックハート先生しか知らなかった私は「監督もしてフランス語も話せて何て多彩な人なんだ…!」と感動した。ロックハート先生とポアロが同一人物に見えなくて役者すごい。
好きなシーンは、ハードマン(ウィレム・デフォー。この人も『ジョン・ウィック』の役から気になっている)の人種差別発言をうけてメアリが「私はロゼも好き」という場面。かっこいいし家庭教師だからウィットに富んでいる。
あとはなんといってもジョニー・デップの贅沢な使われ方!トータル10分も出ていないのでは。ラチェット(ジョニデ)が遺体で見つかるシーンも本人は映さず上からのアングルで面白い構図。実は好きなシーン。殺害されるシーンも無音。でもインパクトがあった。
主役級の俳優が揃っていて豪華〜と思いながら視聴。
オリヴィア・コールマンは『女王陛下のお気に入り』で主演だが今作とのギャップがすごいのでそちらもおすすめ。
終盤のとあるシーンは「最後の晩餐」のオマージュと気づいた。それがとっても美しい。多分他にもオマージュが仕込まれているんだろうけど気づかず…
寝台特急もおしゃれで食事が美味しそう。普通に乗ってみたい。サンライズ出雲はどこかのタイミングで乗ると決めているが、この映画を見ると真剣に検討し始めてしまう。
BGMもピアノ調で少し悲しい雰囲気なのが映画に合っていた。
「正義とはなにか?」という問いが映画のテーマの一つ。
「法律は時として不十分」というセリフが登場するが、日本のドラマ『最愛』の加瀬さんの「法律では裁けないものがある」セリフと重なった。
司法で裁けなかった場合、人は一線を超えてしまうのか?
みんなどこかに傷を抱えて生きてて、見せないように生活している。
ポアロの結論は人間らしいなと感じた。