【映画感想】羊たちの沈黙

つぶあん
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アマプラで視聴可能になっていた。

レクター博士はすぐに登場しないが、圧倒的存在感。まさに「主役は遅れてやってくる」というべきか。特にレクター博士が映るシーンは特に緊張感がある。上品×不気味の不穏さ。暴力性がないのに凶暴に見える。

クラリス(ジョデイ・フォスター)を見て通気口から香水を当てるの、こわ〜〜!しかも博士との面会の日につけてないのに。彼女は周囲から美貌ばかり評価されて、実力を見られず軽んじられていることに辟易している。言葉にはしないが、ずっとそういう待遇を受けてきたことを感じとれた。

連続殺人犯はあくまでシナリオを進めるための話題の一つくらい、犯人の存在感がなかった。犯人も異常な人間だったけどレクター博士の存在感が強すぎて霞むレベル。

クラリスはFBI訓練生で優秀だが、それだけではないと見抜くレクター博士。精神科医というだけではないであろう優れた洞察力でクラリスの幼少期のトラウマがクラリス自身を今も苦しめていると言う。

連続殺人犯の情報と引き換えに、クラリスの幼少期の話を聞かせろと言うシーン。事件解決を最優先にしなければならないが、最も語りたくない出来事(周囲に警察の人間もいるから聞かれたくない)という葛藤が見てて苦しかった。

グロいシーンは個人的に苦手で少し飛ばしてしまったが、ストーリーの割にグロさは控えめかもしれない。

上院議員の娘キャサリンがたくましい。犯人に誘拐され監禁されてもなんとかして逃げ出そうと諦めない。彼女が恐怖に立ち向かう姿とクラリスがトラウマを乗り越えようとするシーンが、女性の芯の強さを表す良いシーンだった。

レクター博士の脱獄シーンは見どころ。ずっと隔離されてたとは思えない。

ラストシーンはとある人(レクター博士にとって作中嫌がらせをした人物…よくやったなという感想しかない)これからどうなるかが示唆されて終わる。

名作をようやく見れた。ホラーと一言でまとめるには難しいくらいレクター博士が上品で終始緊張感を与えていた。

@koshiannbutter
好きなこと、日々の気づいたこと、感じたこと