冒頭10分で母親が娘を束縛しているのが分かって映画に引き込まれる。
人間怖い的なホラーもの。
冒頭の家庭菜園で作られた野菜たっぷりのご飯は美味しそう。私的唯一の癒しポイントだった。
※以下ネタバレ注意
大学の合格通知、絶対母親が持ってるよな…と思ったら案の定。
サウンドや場面の切り替わりで恐怖感が増してびっくりした〜
母親役のサラ・ポールソンは『オーシャンズ8』で良い母親やってたからギャップよ。毒親ものの作品で「あなたの為を思って」という台詞はよく言われているが、この母親は善悪の区別がついてないので純粋にそう思ってそうでヤバい。多分母親は虐待を受けて育ったんだなと分かるシーンがある。無意識に同じことを娘のクロエにもしてしまう虐待の連鎖が生まれている。元々健康な体だったクロエを薬の投与(しかも人間用ではない)で歩けなくさせて自分の手の届くところにいさせるのはサイコパスの発想すぎた。
クロエは頭が良くて(学校に行かせてもらえず自宅でずっと勉強してるため)母親からの疑いの目を上手く逸らしたり薬の特定を自力で達成する。自立しようとして、何度も母親からの妨害に遭うけど諦めずに立ち向かっていくのがかっこいい。女優さんの車椅子の運転捌きキレがあるな〜と思ったら実生活で車椅子を使用しているらしい。足の動かし方や歩き方は演技ではなく自力でされているのか。
アメリカの銃社会、昨日は『キャッシュトラック』を見ておっかないと思ってたけど、今作ではある意味銃社会で良かったよ…と思えた。
銃で撃たれた母親は警察病院のベッドで寝たきりになる。歩けない状態にするのはクロエとの距離をとる解決策として一番効果的である。
歩けなくなった母と歩けるようになっていく娘との立場の逆転が良い。
でもここで綺麗に終わらせるんじゃなくて、ラストでうわー!となる。虐待の連鎖は終わらないんだなと…