フローレンス・ピューがハマり役だった。当時20歳でこんなに過激な役も演じるのだなと驚き。
キャサリン(フローレンス)はお金持ちの中年に嫁入りしたが、「何もしなくていい」と言われ監視や禁止が多く窮屈な生活。映像も映画に合わせてダークな雰囲気。自堕落に過ごしたらハウスメイドから密告され、義父からチクリと言われる。ソファで鬱屈した表情のまま1日を過ごすシーンが印象的。
何もしなくていいと言われたら最初はラッキー!って思いそうだけど、夫は留守にしがちだしやることないしこりゃ退屈だわ…だんだん活力がなくなっていくキャサリンだが、使用人のセバスチャンと出会って速攻不倫関係になり、快活になっていく。
ハウスメイドのアナとも最初はいい関係を築けそうだったのに、だんだん険悪な関係になっていく。アナがキャサリンの髪を櫛でとかすのと、コルセットを締めるシーンはキャサリンに対する当て付けっぽく感じる。
キャサリンがワインを飲み干したのにアナのせいにされるシーンはかわいそう。アナが義父に責められてるシーンでニヤニヤしてるキャサリン。はっきりと言葉にせず、お互いの立場の枠内でやり合ってるのが怖さを感じた。
不倫が義父にばれてセバスチャンは監禁、キャサリンも礼拝するよう叱責される。自分を抑圧する義父を鬱陶しく思ったキャサリンは食事に毒を混ぜて殺害する。アナを食事に同席させ、義父の呻き声が聞こえる中で平然と会話を続けるキャサリン。アナの「こいつやべー奴だ…」という顔とおんなじ顔をしてしまった。
義父の死のショックで口が利けなくなったアナをいいことに、セバスチャンを屋敷の主にして住まわせたりとさらに好き放題するキャサリン、マジモンの怪物。行動も態度も大胆になっていく。
夫にも不貞がバレたのに、まさかの夫の前にセバスチャンを見せるクレイジーっぷり。しかも夫も殺し、ここから物語が転換していく。
キャサリンは元々サイコパスの素質を持ってたと思う。抑圧から解放されて一層爆発してしまった結果とんでもない方向に物語が進んでいく。
フローレンス・ピューの演技がとにかく良かった。ダークな役が似合う〜