井の中の聲

小鈴
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今日はブログに書くつもりで記事を書いていたのだが、もしかするとインターネットのどこかから糺弾の声が飛んできてもおかしくない記述をしなければならないことに気づいて、公開を諦めた。

記事は八割方書けていたので、気が向いたら身内向けに公開しようと思う。自分で言うのもなんだけれど、世界に有用なる情報を公開しようとしていたものをこんな懼れで引っ込めるのは勿体ない。けれど、1%の確率で起きる危険があまりにも大きい時代には、安全に倒したくなってしまうのだ。

これは世界に存在するある話題の情報の総量を小さくするけれど、それを愁うのは外面で、実のところは世界に有用な情報を示すことで量られる自分の価値を大きくできなかったことを悲しんでいる。身内向けになら公開できるけれど、それは立身のたづきにはならない。あくまで井の中の蛙、御山の大将であるのだ。

文章を書く目的とはなんであろう。書くならば、目的がなければならないと、岩に彫りつけてでも記したい目的がなければならないと、ある本は言っていた。そうであれば、これはどうしても世界に公開しなくてはならなかった。それをできなくした己の不注意をただ呪うばかりである。