毎年誕生日が来ると、小学校卒業の時に担任が
『君をみていると「知は力なり」という言葉がピッタリだといつも思います』
とノートに書いてくれたことを思い出す。
あの先生は禿げてたし、字汚かったし、無闇矢鱈に怒るしで嫌いだった。そこまで好きなわけでも、思い入れもない。でも人生の隙間に何度もあの言葉をもらったことを思い出す。
書いたのは一瞬のできごと。
私は星の数だけいる教え子のひとり。
あの言葉が、あの日から私の人生の中でひとつの北極星みたいな指針になっている。
人間の知識と力は一致する、というのも、原因を知らなければ、結果を生み出すこともできないからだ。
自然を支配するためには、自然に仕えなければならない。
思索における原因は、作業における規則に対応する。