最近洗濯機を買い替えた。パナソニックの最新式のドラム式NA-LX129CL-Wというモデルである。これが約350,000円もした。ちなみにメーカー指定価格のため、基本的にどこで買っても同じ値段らしい。ポイントもつかない。買換えに際して今まで使用していたパナソニックのドラム式洗濯機「プチドラム」の保証書などを整理したところ、購入価格は約170,000円ほどで約2倍の価格となっていた。プチドラムはあまり機能性は高くなかったとはいえ、その価格差に驚いた。ちなみに、この新しいドラム式洗濯機は、プチドラムと比較すると驚くほどに高機能で、個人的に便利に感じているのが洗剤の自動投入機能と、スマホやアップルウォッチへの通知機能である。自動投入機能は言わずもがなであるが、通知機能は一部の乾燥機に入れたくない服を洗濯機から取り出し忘れを防止したり、私が不在時に夫が洗濯を自分でやってるなと確認するなど、意外に使える。それ以外にも、60度や40度での温水洗濯ができたり、アウトドアウエアにあるような撥水機能を回復させるコースがあったり、洗えない服や枕などをナノイーXで消臭・除菌できたりする。乾燥容量も2倍に増えて洗濯機を回す回数が減少したし、前のはヒートポンプがややいかれ気味だったためか乾燥が永遠に終わらないことが頻発していたが、ちゃんと2時間弱で終わるようになった。そしてなによりデザインが良い。
しかし、日本の家電を見ていつも思うのは、あまりにも多機能で実際には使用しない機能まで備えていることだ。最新のものは機能てんこ盛りで、買う側も機能があればあるだけ良いような気になって、店員さんに言われるがままに高い最新モデルを購入するケースも多い気がする。まあ私のことであるわけだが、よく考えると今までも洗濯機にあった機能だけでも洗濯乾燥するには十分だったわけで、機能をちゃんと選別して買えば10万円くらいは安く済んだんだよなぁと思うと、途端に最新機能の感動が薄れてくる気分になり、むなしい。我に返って思うのは、シンプルでスタイリッシュなデザインと、シンプルな機能と感覚的に使えるUI。私に必要だったのは、きっとこれだけだったんだ。
昔、海外に住んでいたころに使っていた洗濯機と乾燥機は、ドラム型で上に乾燥機下に洗濯機の2段スタイルで、洗濯機は「COLD・WARM・HOT・DELICATE」(あやふやな記憶)のどれかにダイヤルをくるりと回すと途端に洗濯がスタートするという原始的なものだった。乾燥機もダイヤルで時間を設定するだけで動き出し、ほこりがたまったからといって知らせてくれるわけでもないが途中で止まるわけでもない、何も考えずに働いてくれる単純なやつで、それはそれで便利だった。日本に戻ってプチドラムを買い、ほこりを取らなかったばかりに乾燥が途中で止まっていたことを数時間後に知った時の絶望感と、海外の低機能乾燥機を懐かしく思ったのを、なんとなく思い出した。