久しぶりにビッグイシューを販売しているのを見かけて購入した。10年くらい前に名古屋に住んでいた時、大名古屋ビルヂンクの向かいあたりで販売していたため、見かけるたびに購入していたことを思い出した。
ビッグイシューはホームレスや貧困の人しか販売できない雑誌である。ホームレスの方々に収入を得る機会を提供するシステムで、ホームレスの人が雑誌を仕入れ、販売することで利益分を稼ぐことができるというものである。昔は350円くらいだったかな。先日買ったら450円に値上がりしていた。物価水準も上昇しているわけだし、特に不動産価格もとても上がっているため、値上がりして当然だろう。
ホームレスの人の人生について、自己責任だとか働く気がなくて自分でホームレスを選択しているんだとか言う人もいて、確かにいろんなバックグラウンドの人たちがいるのだろうと思う。しかし私はホームレスの人たちには、やむを得ない事情があり、頑張ってもどうにもならない状況になってしまった人が多いだろうと思っているため、ビッグイシューを売っている人を見かけると購入することにしている。実際ホームレスになる人は、いわゆる境界知能や知的障害がある人の割合が高いなどのデータもある。私は比較的恵まれた人生を送ってきたと思っているが、それも生育環境やそれに伴う教育水準など所与である部分が大きいと思う。私は努力をしてきたのだ!と声を大にして言えるほど立派な人間じゃないとも言えるが、そう考えた方が他人にも優しくなれるし、私は他人が優しくしてくれる社会で生きていたいと思う。
またビッグイシューを購入する他の理由として、ホームレスの人が雑誌を仕入れて売ると言うシステムは、購入者の立場からすれば通常のビジネスと限りなく近く、小売業の販売者から雑誌を購入したことと同じであり、それで支援となるならとても合理的である。ちょっといいことをした気になり気分も良い。それになによりビッグイシューは内容がなかなか面白くて、内容それ自体にもちゃんと価値がある。また見かけたら買おう。