2024/11/26、aceの政治的な装い

koyoko
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公開:2024/11/26

だいたい1週間くらいのことをだらだら書きます。

病院、パレスチナ写真展

先週はめずらしく予定が立てこんでいて、日記を見返すとタスクとメモがいっぱいだった。まずは月1の通院日。これまためずらしく生理前にしては体調もメンタル的にも落ち着いていて、自分でも不思議な感じだった。カウンセリングでは、結婚式に出席するうえでの不安や心配ごとについて主に話すつもりで、実際話したのだが、最終的には自分のまとまらない・あいまいな・クィアな話をもりもりしていて、心理士さんも熱心に聞いてくれていた。特性にかかわらず一般的にもあいまいな状態を保つというのは難しいが、そういう状態で現状落ち着いているのはすごいですね、と心理士さんに言われて、また「そ、そうなんですか?」になった。特性的にすぐ極端な考え方になりがちで、物事をはっきりさせたくなってしまうのはそうだ。だから気をつけているところもある。しかし、わたしにとっては、そのまとまらない・あいまいな状態がむしろ必要不可欠なのだ。そこにしか居場所がない場合があるのだ。たまたま前日がトランスジェンダー追悼の日であったのでその話もしながら、しずネットに書けるかどうかとかではなく、そもそも話す時点で綺麗に文章化できない、ぐちゃぐちゃな生身のクィアな(としか今わたしには表現できない)話をたくさんした。きっと怒りや熱がこもっていたのだろう、前のめりなわたしと一緒に心理士さんも前のめりで話を聞いてくれていた気がして、うれしかったし元気が出た。来月は先延ばしにしている就労や支援についての相談をしたい。

その帰りに眼鏡のレンズ交換の受付をして、カウンセリングでなんか元気になったこともあり、待ち時間に高橋美香さんのパレスチナ写真展に向かった。仙台ではbook cafe火星の庭、エマオ・エッサイの木でそれぞれ展示されていた(石巻会場もあり。現在はどちらも終了)。予定が想像以上にスムーズに問題なく進んでいたため、調子にのってずんずん街中を歩き(ノイキャンイヤホンはしている)、寒椿咲いてるな~とか、どんぐり落ちてる!とか、脳内でひとり盛り上がっていた。案の定へろへろになり、火星の庭でアイスティーを頼み頓服を飲むはめになった。落ち着いてからゆっくり写真を見て、そのときバッグにいれていたアミン・マアルーフ『アイデンティティが人を殺す』を読んでいたらあっという間に2時間ちょっと過ぎていて、店内を軽く回ってBDS運動のパンフレットやジェノサイド反対のステッカーをいただき、会計をして次の会場へと向かう。火星の庭でも、エマオ・エッサイの木でもわたしの他に熱心に見に来ているひとたちがいて、わたしが言うのは変だと思うが勇気づけられた。どの写真もレンズごしに高橋美香さんとパレスチナに住むひとりひとりの視線がやさしく交わっていた。一刻もはやい停戦と継続的な支援を望む。もう殺すな。

お友達の結婚式

お友達のことはだいすきだが、それとは別にこんな世の中はポイズンな世の中(?)での結婚式は、クィアリングしにいくしかない。しかもはじめての結婚式お呼ばれである。ファイティングポーズを取りながら服やら装飾を用意しまくり、当日は不運にも生理2日目で、朝から使わないあったかインナーの胴部分を切って簡易腹巻を作るなどしたり、1日中頭が痛かったりしたが、無事に(何より主催のほうが、だが)終えられて本当によかった…

ace当日の政治的な装いは、BOYSHEのネイビーのジャケットとパンツ、ボタン周りにレースがもりもりなブルーのシャツと、白いチュールのつけ袖、白いチュールのふりふりなつけ襟、ピンクの靴下、黒のスポックシューズ、PAMEOPOSEのシルバーのマイメイドバッグ、「if your feminism isn't intersectional then I don't want it」のピンバッジをつけたアイボリーの無難なサブバッグ。あと主催のお友達からもらった指輪も右手中指につけていった。ちなみにサブバッグの中には『バトラー入門』と火星の庭でもらったBDS運動のパンフレットも入れていた。

座っている状態で足元と手を写している。手元はスーツから白いチュールの袖がのぞいており、足元はピンクの靴下と黒い靴を履いている。
顔を隠すためにスマホが中心に写っている自撮り。

詳しいことは個人情報なのではぶく(白状すると情報過多で細部の記憶がない)が、人前での挙式だった。誓いの言葉はユーモアを交えつつ、婚姻制度の平等と世界平和を願う言葉で締められていて、正直わたしは結婚式をやる意味とかがわからない(着飾ったお友達たちを見たい+会ってきゃっきゃしたくて参加している)のだが、お友達が真摯に考えただろうその締めの言葉に不覚にも泣いた。他にも一般的な式の慣習はほとんど変更され、お友達が企画したものになっていて、これなら参加してよかった~と思えた。お祝いの気持ち半面、男女二元的・異性愛規範的な会場に、そういう商売だからこそギーッ!(威嚇)となり、挙式直前に「同性婚すらできないのに!」とちょっと大きい声を出してしまい、隣にいたお友達を驚かせたかもしれない。それにしても、婚姻制度が不平等なばかりに、実際に婚姻制度を利用しているLGBTQ+(「その他」ではなく包括的な意味合いとしてプラスが重要だと思っている)、バイロマ/セク、パンロマ/セク、SAMに当てはまらないひと、トランス、クエスチョニング、クィア、名乗らないひと、わからないひと、いろんなひとがいるだろうが、そういったひとびとへの想像を切り離してしまいそうになる。と改めて考えた。

披露宴では一緒に参加した心強いお友達たち2人の間に座り(わたしも含めて陰キャ三人衆である)(主催を含めると四人衆)、社交モード全力全開で知ってる方へのご挨拶などをやり、料理の味がいまいちわからず(付け合わせのかぶと芽キャベツがおいしかった)ひたすら水を飲み、デザートだけはしっかり食べた。演出の数々がだいたいお友達のオタク趣味だったので、後方トップオタク面で「わたしは元ネタ、わかってるよ…」など毎回思っていた。運よく会場に天窓があり、眩しくはあったのだが「密室、人混み、しぬ」という感じにはならずに済んでよかった…。とりあえず会えば箸が転ばなくても笑ってるような四人衆で、会ったとしてもめったに写真を撮らないため、この機会にたくさん撮ってもらっただろうから(そもそも写真を撮ることに頓着がないため、カメラマンに自分たちのスマホを渡すのすら忘れていた。忘れていたというか、そういうものか!と思った)、これからデータを見るのがたのしみ!(ヘマをしている可能性も十分にあるのだが…)

あとこの日一番のがんばりは、披露宴会場から出るエレベーター内での世間話だ。披露宴中に少し会話をしたひとから「結婚は?」と聞かれたので、「してません」と答えた。一緒に乗っていた、おそらく独身の同僚のひとをよくある感じで軽くからかったあとに、また「結婚の予定は?」と聞かれたので「そもそも婚姻制度を利用できません」と答えた。そのあとは何も言われず、さっきのおそらく独身であろう方(服装はフェミニンだった)から目くばせをもらった。その目くばせがどういう意味を持っていたのか正直わからないが、なんとなくよい意味で(たぶん)印象的だった。脳内でさんざん反論する練習をしていた成果だが、こんな成果発揮したくないわい!

終了後は疲れ果てて頭が働かず、お友達たちとロビーで30分?かそれ以上ひたすらだべり、一緒の帰路でもだらだらとだべり(本当はここに主催のお友達がいれば最高なんだ)、帰宅後即風呂、米をちょっと食べ、薬を飲み、おそらく8時過ぎには寝た。何度か起きかけたが、久しぶりにめっちゃ寝た。翌日も動けなくてひたすら寝た。翌々日は多少ましだったがまだ全然頭が働かず(洗濯したのに干すのを忘れた)またひたすら寝た。視覚情報と聴覚情報の飽和状態と全力全開社交モードから抜けきっておらず、今日もまだ本調子でないが、ひとまず頭の中に詰まっていたものを文章にしたのですっきりした。また寝ます。

おわり