2024/10/17、『灯台へ』

koyoko
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第1章-p.143

12日が返却日で、図書館にこもって読めるだけ読んだ。鳥の名前がどうとか、浜辺でイヤリングをなくしたとか、そして図書館内で主に読んだのが食卓のシーンだが、それぞれの人物の考えが移り変わりたゆたっているだけ(すいません)でもなぜか飽きずに読めてしまうからおもしろい。これが意識の流れっていうやつ…?(文舵に書いてあった…よね…?)などと思いながら、各人物の表面上の行動とその内面の違い、また別の人物による解釈、それぞれがそれぞれを憐れみそして自問する、その行き来をひたすら追いかける。印象的だったのは、メインの料理が出されたあとでも周囲を気にせずスープを頼むオーガスタス・カーマイケル。ラムジーの嫌がりっぷりよ、と思ったが、わたしもひとのこと言えないかもしれない(でもひとにはひとのペースがあるのは肝に銘じている)。この日の図書館は連休初日にもかかわらず、ひとはそれなりに行き来しているものの、わたしが必ず座る席のある部屋にはわたし以外誰もいなかった(いつもはふたつあるテーブルに誰かしらいる)。連休だから逆に図書館とか来ないやつか、わからないけど。なぜかわたしは常に他者の視線を感じ(実際どうかなのかはわからない)気にしてしまう質だが、オーガスタス・カーマイケルの部分を読んで、普段なら外ではしない大きな伸びをした。椅子を壁を向くように少しずらして帽子を目深に被り猫背で本を読むからか、伸びをしたついでに肩甲骨を動かすように回すと気持ちがいい。第1章は読み切りたいと思っていたが、午前中いっぱいいても第2章まで20ページほど残して一旦返却となった。

人間の生活というのは、こういうものだろうか?ああいうものだろうか?などと莫迦ばかしい。本来そんなことを考えている暇はないはずだ。なのに、この場の自分はそんなことばかり自問している。なぜといえば、ラムジー夫人が使用人に指示を出していて手持ちぶさただからだ。それに、キャリー・マニングがいまも健在なのを知った夫人の驚きようを思ううちに、友人付き合いというのは――最良の関係でさえ――もろいものだと改めて感じたせいもある。人はいつのまにか離れていく。バンクスはまたもや自分を責めた。ラムジー夫人の隣に座りながら、話かけることばひとつ見つからないとは。

第1章 p.115

タイトルは今日の日付だが、だいたい1週間分くらいのことをとりとめなく書く。というかずっと大掃除していた。たぶん前回の日記で書いた、本棚の移動や整理やその他「とりあえず」のものがたまっている棚という棚を片づけた。母の本もかき集めて、本棚にぎっちり並べた。絶対同じ文庫が何冊もあるだろうと思っていたが、案外1組だけだった。秋晴れの日には虫干しもしてみた。自分の本棚はまだ入りきらない、というか、どう整理するか考え中の映画パンフの山や雑誌類や同人誌たちがあるので、暫定で並べただけだが、本の隙間にsmash the patriarchyピンバッジをバッグにつけたムーミンママのマスコット(引っ越してからしまいっぱなしだった)を置いたり、お気に入りのものたちもいろいろ並べられてうれしかった。持て余していた漫画やゲーム類、衣類も買取に出して、せっせと分別した古紙もどっさり回収に出して本当にすっきりした。でも実際は、過活動というか過集中みたいなことも作用しているっぽくて、行動量にたいして食事を全然取らなかったり、終わりがわからなくて母からストップをかけられたり、疲れているのに延々作業していたりと、いいんだか悪いんだかわからない大掃除期間だった。カウンセリングで相談しよう。そういえば映画パンフやA4くらいの雑誌類って、2L×6本の水が入ってる段箱に立てておくのが今のところベスト収納なのだが、それのプラスチック版はどこかにないのかな。今度調べるために忘れそうなので書いておく。

本棚の隅に置かれたムーミンママのマスコット。smash the patriarchyのピンバッチがついている。

掃除には向いている季節だが乾燥と掃除により爪がぼろぼろになって割れたのがかなしい。今日は最低限の家事とタスク以外は何もしないと決めたから、爪でも塗ろうかな。一旦区切りをつける。つけるのだよ!!!(言い聞かせ)

連休中、たまたま母と散歩に出かけた先で陶器市をやっており、まだギンギン状態が発動していたので人混みにいつもよりは臆することなく(しんどいことはしんどい)見てまわった。セットで安くなったのでわたしはガラスの青い指輪を(サイズがぴったりだったのだ!)母にはペンダントトップを買った。もともと買い替えたかった皿なども買い、匂いにつられてみたらし団子も食べた。散歩中も、さまざまな犬たち(けん制しあう小型犬たち、でれでれに挨拶だけしたら愛想を振りまいてくれた柴さん、おそらく買い物中のお連れ合いを人間と一緒に待っているのだろう犬多数、などなど)に出会えてありがたかった。犬、すばらしい。すべての犬、ありがとう。でもわたしのいちばんは先代の犬さんと今そこで寝てるご長寿犬さんですけどねッ!

来週は、お友達と山のほうの公園を散歩する予定なのでたのしみ。怒涛の大掃除におびえて身を潜めていたユウウツが大きくなり始めているので、まず調子にのって裸足で過ごすのをやめて靴下をはきます。

おわり


ヴァージニア・ウルフ、ジーン・リース、鴻巣友季子訳、小沢瑞穂訳『灯台へ/サルガッソーの広い海』、世界文学全集Ⅱ-01、河出書房新社