PERFECT DAYS を観た

kromiii
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昨年の暮れから気になっていた PERFECT DAYS という映画を見てきた

あらすじは役所広司演じる平山という主人公が送る日々を淡々と描くというもの

ほとんどの映画は映画の中にここぞという山場を作るために主人公がトラブルに巻き込まれたり、派手なアクションがあったりする

肝の小さい自分は映画を見るとなんだか無駄に感情をすり減らしてしまって、映画を見るのが得意ではない

しかしこの映画に関しては、たしかに前評判の通り、映画全編を通して、ただ平山の日常が描かれるだけで、心を抉られるような悲劇も感動もない

もちろん、本当に何もないわけではなく、私たちが日々生活をする中で何かしら起こるような小さなトラブルは映画の中でも毎日起こっている

映画の中で印象的なシーンとして、清掃のバイトが飛んでしまって平山がそのバイトの分のシフトを余分にこなさなくてはいけなくなったシーンがあったのだが、映画の中で平山が怒ったのは多分そのシーンくらいだったのではないかと思う

他の映画だったら多分、こんなシーンはこれから始まる壮大な物語の前哨戦で、間違っても映画全体で印象に残るシーンにはならないと思うのだが、PERFECT DAYS の中ではこんなシーンでも、見た人に大きな印象を与えるシーンに変化している

私たちの日常だって別に、毎日悪の組織と戦うわけでもなければ、毎日恋人と別れているわけでもなく、いたって平凡な日々が続いている。バイトが連絡もなしに飛んだとなれば、自分にとっては一大事だ。それこそ遠い外国の選挙結果よりも。

だからこそこの映画は見ていて飽きないし、だからこそ私たちの人生も、たとえ平凡だとしても、生きていて飽きることはないのだと思う。

PERFECT DAYS は自分たちの人生もまだまだ捨てたものではないと、そう思わせてくれるような映画である。

@kromiii
ゆとり世代のど真ん中