CLAMPの漫画『東京BABYLON』(新書館)をよく読んでいたのは、中学生の頃だった。主人公の皇 昴流(すめらぎ・すばる)に、心密かに憧れていたし、尊敬していた。
私には、彼のような容姿端麗さは無いし陰陽術も使えないけれど、憧れていたのはそこではない。
彼の「他人の痛みを、自分のことのように感じる様子」や「他者を思いやる気持ちの深さ」に、本当に強く共感していた(姉の北斗ちゃんは、そんな昴流君の姿を、ひどく心配していたけれど)。そして、私自身もそうありたいと強く願っていた。
けれども、現実の自らの姿はそこから程遠くて、それにもひどく幻滅したり落ち込んだりもしていた。そのたびに、しっかりしなきゃ、などと思っていた。
VOL.2/DREAM、VOL.5/SAVE.A, SAVE.B、VOL.6/OLD は何度も読んでは、静かに泣いていた。本当にその頃の私に、強く刺さったからだと思う。
もう随分と年齢を重ねたけれど、今もなお皇 昴流を尊敬しているし、彼みたいになりたかった気持ちは変わらない。