蕎麦が美味しい

蕎麦が好きです。とても好きです。ちょっと遠くまで(家から300キロくらい)蕎麦食べたいがためにそのお店に間に合うように家を出る程度には好きです。(遠出自体は別の目的もあるけれど)

とはいえ、こどもの頃から蕎麦が好きだったかと言われるとそこまでではなく、正直なところうどんの方が好きな幼少期ではありました。積極的に美味しいお店に食べにいくような家庭ではなかったのと、家庭で食べる蕎麦大体茹でてあって袋に入っている安価な生タイプのやつなので、あれは手軽さ&安さ重視のやつなのであれで美味しさに目覚めるのは難しかったろうなと今だと思えたり。

蕎麦が美味しい! と、思うようになったのは、大人になってから家族がよく買い物に行く地域周辺に美味しい蕎麦屋があるらしい。と、ネットで見つけたところからでした。ちょっとどころじゃないくらい、そこに蕎麦屋があるとしらなければいけないような奥まった場所にあるそのお店は、本当に本当にわかりにくい場所にありました。大きな通りをそれて横道に入り、車がすれ違えないような細い田んぼ際の道をさらに奥へ奥へと進んでいくと、少し開けた場所にぽつんと存在しているのです。ごく普通の一軒家を改装したのだろうそのお店は周囲を人の背丈程度の木の塀で囲まれていて、可愛らしい外観をしていました。

そこのお蕎麦がね、美味しかったんですよ。本当に。天ざるを食べたんですけど天ぷらも美味しくて、春先は天ぷらにふきのとうが入るんですがわたし人生ではじめてふきのとうが美味しいことを知ったのもこちらのお店でした。

グルメ漫画の国の人ではないので、蕎麦の風味がどうのとか、つけつゆの出汁がどうのとかはまっっっっったく語れないんですけれども、口の中に蕎麦を迎え入れて啜ったときに受ける多幸感と「うまっ」と漏れ出る声がすべてだなと思うわけです。本当に美味しい。とても美味しい。すごく美味しい。無限に食べたい。そして蕎麦をすべて食べきったあとにつゆへ注ぐ蕎麦湯。これがまた最高でした。美味しいつゆがまろやかで優しいお味になるんですよね。蕎麦湯とつけつゆの配分がまた絶妙で、どちらかが多かったり少なかったりしたらきっとこんなにも身体が喜ぶ味にはならないんだろうなと思うのです。

余談ですが、こちらのお店は友人母子(どちらともなかよし)を連れて再訪したとき、蕎麦湯文化に懐疑的だった友人に「騙されたと思って飲んで! 口に合わなかったらわたしが飲む!」と言って飲んでもらったら、一口飲んだ友人が「うまっ」と思わず声を出して完飲したお店でもありまして。そのときわたしは自分の手柄ではないのに大層得意気であったことでしょう。もちろん好き嫌いアレルギー諸々あるので万人に向けては勧められないけれど、嗜好をある程度把握している友人だからこそ出来たことではありました。そもそも仲良くなきゃ連れてもいかないという大前提は置いておいて。

そのお店、冬季はお休みなのでまた春にふきのとう天ぷらと美味しいお蕎麦を頂きにいきたいなあと思っています。お店の方がけっこうな高齢でいらっしゃるので、いつまでもいけないのだけれど通えるうちは行きたいなあと。旭川空港側にあるので近くにお立ち寄りの際には是非。

一度訪ねて二回目の機会を探っているうちに、お蕎麦自体が存在をなくしてしまい二度と新しいものを買えなくなる。みたいなこともあるので(音威子府蕎麦また食べたいなあ! 家の冷凍庫には一昨年買ったものがある)行けるうちに行かねばなと思うわけです。

@ktgn_ds
意味はないけれど個人的に楽しかったり美味しかったり気になったことを書いたりしたいものです。