昨年の秋ごろから自分の強みを改めて考えてみるプロジェクトがはじまった。そのメンバーは自分ただひとり。つまりは自分で自分と向き合うプロジェクトだ。
しかし、自分の中をのぞいているだけではなかなか強みは分からないものだ。自分で考えた強みというのは、
好きと得意が混じっている場合がある。
いい感じに思えても、他人からみれば及第点ということもある。
無意識でできていることは自分で認知しにくい。
何々ができる、というオペレーションで言語化しがち。
という側面がある。
私の書きなぐりノートには「情報整理」「調べること」「プレゼンテーション」などといったワードが並んでいた。確かにこれらは得意だと思っているのであるが、他人ができないことというほどのレベルに達しているとは思えなかった。
そこで、同僚、友人、親類、恩師などからのフィードバックを洗ってみた。ありがたいことに、会社員時代に「グループから忌憚のないフィードバックを受ける」という研修やプログラムをいくつか受けていたので、それも活用した。
で、フィードバック内容はどうだったかというと…
面白くないところが面白い。
これは仲の良かった関西出身の同期から言われたことで、とても印象に残っている。妻も完全同意していたのでそうなのだろう。自分でも「面白いことは言えないな」という自覚がある。しかし、これをどう扱ったらよいのか。たぶん、その奥に真面目というワードが潜んでいる気がする。
本の虫。知識と知恵。
これは、忌憚のないフィードバック付きの研修でいただいた言葉。複数人から同じようなことを言っていただいたので、おそらく武器なのだろう。ただ、世の中に本の虫はたくさんいる(と思っている)ので、ほかの強みと掛け算する必要がありそう。
物腰柔らかい。
これは少し意外だった。若いころは職場でピリピリしていてすぐに戦闘モードになるような感じだったので、加齢によって変わったのかもしれない。それとも、もともとの特性なのだろうか。
小型犬みたいなやつだな。今は流行っていない感じの。(同姓から)
愛されキャラ。(異性から)
カワイイキャラですね。(同姓から)
おっさんがこんなところに書いていいのか、と思いつつも重要な気がして勇気を持って向き合ってみる。これらは20~40代で幅広くいただいた言葉なので、その奥に何かあるのだろう。親しみやすさ? だろうか。
傾聴に優れている。傾聴する人。
新任部長になったときに、前任者が部員に私を紹介したときのコメント。これを耳にしたとき本当にびっくりしたのを覚えている。自分の中では、目の前の人の感情や本音を理解することが苦手だと思っていて、だからこそ管理職になったときに不安だったくらい。
思い出してみると、確かに幼いころから人の話を聞くのが好きだったような気がする。ただ、そのシチュエーションの幅が狭く、凡そ4人以下での会話がよく、1 on 1ならベストという感じだった。逆に言うと大人数の会食では上手く話せないし聞くことができない。これは重要なヒントかもしれない。
人を育てるのが得意。
管理職時代の人事評価でいわれたこと。学校の先生には向かないと思っていたので、これも無自覚だった。大人数に対して平均を引き上げたり、統率したりするのは苦手なのだけど、少人数の専門職に対して実業務で育てるのが得意なのかもしれない。これは中年以降に顕在化したもの。
表現力がある。
これは戦友ともいえる仕事でご一緒した方からの言葉。20代と40代でご一緒して、そのたびにこのようなフィードバックをいただいている。もう少し深掘りすると、誰かの頭の中にあるモヤモヤっとしたことを言葉や図で表現すること、ということのようだった。
さて、ここからのフィードバックは著名な人事コンサル会社によるマネジメント系アセスメント結果から。アセスメント結果は人事の方から口頭でご説明いただいたのだが、伝えにくそうにされていた。あまりにも「管理職向きではない」という評価が多かったから。気を遣わせてしまった。なので、弱みを取り上げて転じてみる作戦で。
新しい技術やビジネスに興味がありすぎるので、上級管理職に不適。
ナントカアジリティというのが超高得点だった。喜んだのもつかの間、マネジメントに不適というコメントがついていて、えぇ…となった。興味がありすぎるのも考えものだということで、管理職に向かないなと思った次第。これを強みに転じるならば、とにかく興味をもって学ぼうとすることだろう。
政治力・統率力などマネジメントに求められる能力が低い。(あるいは興味が薄すぎる)
はい。組織人としてダメということですな。このアセスメントだけでなく、キャリア・アンカーでも同様の感じになった。端的に言うと学級委員長向きではないのだ。これをカバーしながら管理職をやっていたのだが、限界がきたので独立したのだった。逆に言うと、自分の目で見て、耳で聞き、頭で考えるプロセスに強みがあるのかもしれない。
最後に自分で認識している超重要な弱みと向き合って、強みを考えてみる。
サプライズを仕掛けるのが苦手。
端的に言うとエンタメセンスがゼロ。サプライズな仕掛けをしようとすると100%妙なことになる。人を楽しませるというのが苦手なのだ。周囲からも概ね同評価だ。つまりは冒頭の面白くないにつながる。数々の失敗エピソードが頭に浮かんできて恥ずかしくなってきた。ひとまず真面目+計画性の産物と捉えておこう。
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以上をまとめるとこんな感じになった。ハードスキルだけでなく、人との関係構築につながるものがあるのが新鮮だった。
真面目
本の虫
物腰柔らかい
親しみやすい
傾聴
専門職を実践的に育てること
モヤモヤしたことを表現する力
自分の頭で考え、学ぶ
計画的
自分は陰キャでコミュニケーション力に自信がないし、対人スキルはカラッキシダメだよなと思っていたのであるが、フィードバック解析によって意外な発見があった。
さて、これをどうやって活かしていこう?
つづく