データ分析の世界に足を踏み入れてから十数年。一時期はマネジメント中心だったけど、独立した今は手を動かすことも多々ある。
データ分析の道具としてよく使うのはPython。数年前まではRだったが、AI関連チームのマネジメントを期に機械学習に傾倒していった。研究所で技術開発をしていたときはPythonとRが半々だったのだけど。
Pythonを中心に使っている理由は、(1)様々なライブラリが使える、(2)機械学習に強い、(3)フルマネージドな環境で容易に使える、といったところだろう。前処理からモデリングまで同じ言語で組めるというのはとても楽。
そして何よりグラフツールであるseabornの存在が大きい。Rのggplot2並にスイスイグラフを作れるので、楽しく使っている。
教材づくりやアドホックな分析が中心なので、pandasで前処理してseabornを使って探索し、scikit-learnやstatsmodelsでモデリングするというのが基本的な流れになっている。GLM/GAMを使う時にたまにRも使うけど。
そして、これら一連の処理をColab Enterprise上でサクッと実行できる。WindowsでもChromebookでも同じ環境で仕事ができるというのはとても快適だ。仕事場ではWindowsを使い、リビングや外出先では概ねChromebookを使っている。とても楽で身軽な時代になった。
このような環境を利用できるのは、仕事にクラウド系のサービスを中心に使っているからだ。Google Workspace、freee会計、Google Cloud、Slack、Canvaなどなど。
昔はWindowsノートに集約して持ち歩くイメージだったのだけど、セキュアでないし、何よりマシンが不調になったときに大変ツライ。なので、Chromebookだけで仕事ができる環境を作ることを意識してきた。現在の快適な環境はその結果ともいえる。
この目論見は崇高な思想のもと始まったわけではなく、お財布事情と少しばかりの好奇心から…というのが正直なところだった。
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独立する数年前、まだGoogle Workspaceも独自ドメインも契約していなかったころの話。自分自身のノートPCを新調しようと思ったのがきっかけ。
当時自分が使っていたのは古い古いWindowsノートで、ヤフオクで落としたものだった。スペックが悪かったのでLinux Mintを入れて遊んでいたのだが、動作もバッテリーも怪しくなってきたので買い替えることに。しかし、家族利用のパソコンの買い替え時期と重なり、さすがに自分専用のマシンにコストを掛けるのはどうかと思い悩んでいた。
そこで目をつけたのがChromebookだった。安くて動作が軽く、しかしブラウザしか動かないという割り切った仕様に妙に惹かれた。しかも頑張ればLinuxも動かせるということで、Amazonのセールで買ってみたのが始まりだった。このときにかったのはAcerのChromebook Spin11で、今で言うGIGAスクール向け端末のようなスペックと出で立ちだった。
使ってみるとかなり快適で驚いたものの、当時はAndroidアプリも動かせなかったので否応なしにクラウドを活用することになった。Google Workspaceを使いつつ、noteを書くようになってCanvaをはじめた。最終的にはデータ分析環境もGoogle Cloudへ。
こんな風にクラウド移行が順調に進むのと並行してコロナで会社の方もクラウド中心の世界観へ。そして独立後もこのような形態を維持している。
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今仕事で使っているマシンを利用頻度順に並べると、
Windowsノート (Lifebook・机据え置き)
Chromebook (Chromebook 14F)
Windowsノート (Surface Laptop)
という感じ。概ねどの環境でも同じように仕事ができる。
ただ、最近はチラホラWindowsアプリが必要な場面がでてきてしまった。ExcelやPower BIを動かしたり、Tableauの勉強をしたり。これも仕事の一環なので楽しく学ぶことにしているが、必然的にマシンに依存した形になってしまうのが残念。
もし自分の仕事道具として定着したら、可搬性を求めてAzure Virtual DesktopかWindows 365に移行させるかもしれない。そうすれば夢のChromebookオンリー生活に戻ることができる。
とはいえ、環境に縛られるとそれはそれで本末転倒になってしまうので、柔軟に変えていきたい。