パルプ・フィクション
2023年は時間があり余っていたのもあって、タランティーノ監督作品を人気順に見ていた。その中でも一番有名かつ人気な「パルプ・フィクション」はやはり面白かった。同監督の他の作品でも共通しているが、登場人物たちの何気ない雑談がリアルでユーモアが効いていて、IMAXじゃないのに没入感を与えてくれる。
話の筋としては起承転結があるわけではない。この画像にある女性はほとんど重要じゃない。なぜかダンスシーンが伝説のシーンとして挙げられているが理解に苦しむ。でも登場人物たちの会話で、一人ひとりが魅力的に映り、心に残る。今年見た映像作品としては一番だった。
映画からワンシーンを抜粋している、この動画とこの動画を見て面白いと思ったら楽しめると思う。合計10分なので、本編を見るかどうかの判断に使ってほしい。
NOPE
映画の予告を見た時は「いまさらUFO映画か〜」と思っていたが、予想の斜め上をいく展開で驚かされた。ジョーダン・ピール監督は米国における黒人の扱いを風刺した作品が多く、この作品もそれが一つのテーマになっているが、一番大きなテーマは「動物はコントロールできない」ということかなと思った。UFOから「動物」としての恐怖を感じさせる演出や筋書きは斬新だったし、本当に怖い。
あら筋としては、土地を支配しようとするUFOへの抵抗である。UFOに一発食わせたシーンで「ざまあみろ!」と台詞があるあたり、アメリカに植民した白人に対しての黒人の気持ちを重ねているのではないか、という考察があったが、そこまで風刺臭くは感じない。
一転、後半からは空気が変わり、いくぶんコミカルになって、2つの映画を見ているみたいだった。前半の怖さとバランスが取れて、怖い映画が苦手な人でも楽しめると思う。2023年に映画館で見たなかではイチオシだった。
ぼっち・ざ・ろっく!
2022年年末にかけて放送された「ぼっち・ざ・ろっく!」。見たのは2023年だったのでベストに入れたい。「女の子がバンドするアニメ」ではけいおん!が有名だが、打って変わってこのアニメは日常系アニメではない(落ちのない話が延々と続くアニメではない、という意味で)。
原作者がガチガチのJ-Rockファン、特にアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONのファンで、各話のタイトルはアジカンの曲名をオマージュしている。さらに漫画では毎回アルバムアートをオマージュした扉絵を書く徹底ぶりである。アジカンを聞きながら10代を過ごしたアラサーであればドンピシャなのではないだろうか。
しかしアニメでずっと音楽の話をしているのかというとそうでもない。ちゃんとした演奏シーンが描かれるのは5話以降である。じゃあ何を見るかというと、主人公が極度の陰キャとして人間を辞めた描かれ方をしているので、それを見る。正直女の子のキャラクターでここまで可愛く描かれていないアニメは初めて見た気がする。2−3回は繰り返し見たくらい面白かった。
Appendix
「ぼっち・ざ・ろっく!」を入れるか、HBO製作のドラマ「チェルノブイリ」と迷ったが、後者は2023年に見たか忘れてしまったので、ベストには入れなかった。Prime Videoで有料だが、見る価値はある作品。