139 かろやかに

鯨日記
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二日酔いではなかった。でもどうやって布団に潜り込んで眠ったのかが思い出せない。チリと頭の奥が痛む気がする。今日会う予定だった友人にキャンセルの連絡を入れる。ごめんね。11時30分。ソーセージをひと袋分ざざざっとフライパンに投げ入れて卵を二つ割り入れる。今日は完熟の気分で両面を丁寧に焼く。塩とブラックペッパーで味付けをしてブロッコリーを解凍して添える。ソーセージにはケチャップ、ブロッコリーにはマヨネーズをちょびっとだけかける。目玉焼きを箸で割いた時に焼きが足りず黄身がどろりと溶け出してきて、それをご飯にかけて食べる。思考がとぐろを巻いてキリキリと音がする、から知らない街の銭湯に行った。小さい子どもがじっと見てきて、髪が長くてすみませんと思う。ほくほくした体で目に付いた中華料理屋に入り回鍋肉とハイボールを注文した。中国語で怒鳴り合うようなやり取りが厨房から聞こえてきたけれど、ただ普通に会話をしていただけかもしれない。帰りは散歩をした。頬撫でる風が気持ちいい、って最近毎日日記に書いているような気がする。家の外からシュッ……シュッ……という風を切る音が聞こえてきて、覗いてみたらバドミントンのラケットを一心不乱に振っている少年がいた。アスファルトを蹴る軽やかなステップと暮れきった空を、飽きもせずにしばらく眺めていた。2024.4.14

@kujuranosenaka
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