111 土下座

鯨日記
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15時過ぎに預けていた洗濯機と冷蔵庫が届いた。洗濯機は排水の位置が特殊で取り付けが難しいのではと思っていたのだけれど作業員の人は手際よく取り付けを済ませ、土下座するような形で洗濯機の下を覗き込み「水漏れしていないので大丈夫だと思います」と呟いた。よかったら見てみてください、と言われたので私も土下座をして覗き込むと、両者頭をつきあわせるような形になる。傍から見たらかなり滑稽な姿勢をしていただろう。丁寧に排水ホースは接続されてい、その人は表情を変えずに帰って行った。おじさんと言うには少し早い風貌の人で、わたしは一部の30代前後の男性に感じるような親しみやすさ、好感をその人にも覚えた。髪は短く刈り揃えられ、後輩に的確な指示を出していた。旧居に洗濯機を取りに来た作業員もそんな感じの人だった。二歳くらいの子どもがいそうだ。絶対に娘。中肉中背、仕事終わりのビールをささやかな楽しみにしている。趣味はサウナ◆下北沢に行きたかったがうだうだしていたら黄昏になってしまい、何となく駅の方に繰り出して、そのまま電車に乗って地元の方に出た。無印良品で棚を物色し、ふたつある内のひとつの実家が近くにあったので立ち寄ってご飯を食べた。お好み焼きを作ってくれた。吉田寮と食洗機とカーテンとネクタイと春からの仕事の話をした。今日は涼しくて、だから半袖に薄いシャツを羽織っただけの格好で出てきていたから夜は寒いかもしれないと身構えていた。でも帰りの頬を撫でる風は昼間と同じくらいのたおやかさで、だからわたしはラジオを聴きながら誰もいない道を上機嫌に歩いた、今日は家に籠っていたら絶対に塞ぎ込んでいて(情けないツイートもしてしまった)、だから自分の機嫌を自分で取れてよかった。夜も昼みたいに涼しい。それだけで今は嬉しい。2024.3.17

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