154 三連休最終日の幽霊(4/29)

鯨日記
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『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻』をマットレスの上で捲っていて気がついたら眠りに落ちていた、三連休最終日の幽霊がベランダの欄干に足をかけた時にひるがえったカーテンとその向こうの夕暮れがやけにきれいだった。起きてまだ現実が覚束無いまま私自身が幽霊のように部屋を彷徨っていたら後輩から電話がかかってき、着の身着のままで外に出た。後輩は連休明け、明日からの仕事を乗り切るために私を誘ってくれたらしい。定食屋でソーセージ・カレーとトンカツと小鉢のポテトサラダ、を瓶ビールで流し込む。時間も遅くて深酒する訳には行かずセブンイレブンで酒を買い込み一駅分歩くことにした。好きなラジオの話をして、追い越して行った二人乗りのバイクに『溺れるナイフ』を重ねて、あとは覚えていないくらい些細な話をひたすらした。公園に立ち寄り話をして駅前で飽きずにまた話をした。家に帰る途中に後輩から電話がかかってきて、まだ話し足りなかったのかよと出たら訳のわからないことをひたすら喚いていた。訳のわからないこと。もう少し聞いてやっても良かった気がする。2024.4.29

@kujuranosenaka
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