昨日高速道路を走る車に乗っていた時に「LIGHT BOY」と書かれたネオンが見えた。なんの会社なんだったんだろう。光の男。今日は一日明日引っ越すための準備をした。でも仕事もまだ残っているし明日一気に引越しはできないのでまだ暫くは今の街に住む。レンタカーに載るだけの荷物を運ぶ。段階的引越し。約3回に分けて荷物を移動させる。それまでは二重契約のような形で部屋を借りている。そう書くと格好良いが普通に恐ろしく引越しの計画を立てるのが下手なだけだった。大型家電だけは業者に運んでもらう。その日程の調整のために電話で話す。「お名前の確認を致します」の後に自分の名前が読み上げられ、漢字の確認をされる。でも喩えば私が「宮城」という苗字だとしたら「宮は普通の宮に、城は普通の城でお間違えないでしょうか」としか言えないだろう。それと同じく「普通の〜」という確認の仕方だった。でも下の名前は熟語を用いた確認だった。私が「春季」という名前だと仮定すると「キは季節のキですか」というような。それは私がいつも他の人に向けて説明するときに用いるものと同じ熟語だった。知らない誰かと同じ思考回路に嬉しくなった。夜はマクドナルドに向かう。AirPodsから流れる音楽の幕間にビニール傘を打つ雨の音。水滴を繋いでおれだけの星座。引越しめんどくさいなー◆そういえば朝井リョウ『何者』内で主人公がスーパーでいつも同じものを買う(例えば納豆→卵→野菜ジュース、のように)ために毎日同じ陳列棚の間を移動する軌跡を「星座を作る」と表現していたような気がするなあ。生活のワンシーンといつか読んだ小説のワンフレーズが重なる。音楽をたくさん聴く人はそこに歌詞が重なったりするのだろう◆村上春樹『パン屋再襲撃』では深夜(たしか明け方)のマクドナルドが襲撃される。私は今、マクドナルドでこの文章を書いている。襲撃の場面では突っ伏して眠っていた客がいて、いま私の目の前にも嘘みたいに突っ伏して眠っている男性がいる。来るなら今だぞ、と襲撃犯のLINEを持っていたら連絡をしたい。ただ生憎このマクドナルドは深夜営業していない。もし深夜にマクドナルドが営業していたら襲撃犯は来ただろうか。朝焼けをバックに襲撃してきた彼らに店員は「LIGHT BOYですか」と訊くだろうか。2024.2.25
酔い潰れたり面倒がって翌日になって昨日のことを書くことが多い
X: @kujuranosenaka