70 イオン番付

鯨日記
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立体駐車場が好きだ。機能的に区画分けされた一つ分のスペース。並べられた色とりどりの車。くぐもった匂い。細い通路。カラー・コーンに貼り付けられた出口案内。アルファベットと数字が印字された支柱。わたしはイオンタウンの立体駐車場にいた。スムースにバックができて日々社用車を運転していて良かったと胸を撫で下ろす。でもアクアのシフト・レバーを設計した人間とは話がしたい。積もる話というものがある。今朝、遅延の影響で乗りたい列車に乗れず、半ば偶発的に車移動になった。ジョナサンでお昼ご飯を食べて、ニトリやカインズホームを見た。意味もなく洗濯機の蓋を開け閉めした。金魚の水槽コーナーの天井には「AQUARIUM」と掲げられていた。今日行ったイオンは40点くらいだと思う。イオンには悪いイオンといいイオンがある。言葉ではうまく説明できない。ショップの陳列棚が洗練されていたりだとか、人の動線が心地よいとか、お惣菜コーナーのラインナップとか、そういう些細なことだと思う。でも立体駐車場があるというのは大きな加点ポイント。コーナーで差をつけろ。友人は助手席で足をプラプラさせて、ほうじ茶ラテを飲みながら「蓋がないのは怖い」と呟き、コンビニに停めて出向いた公園をトボトボ歩き、縁石の上を歩き、またねと言って別れた。夕陽が公園に差し込んでいた。寒かった。廃れた商店街が見えたのでそちらに行こうとしたら封鎖されていたりした。「○○通り」という所を通過する度に読み上げてくれた。美しい名前の公園と病院があった◆昨夜は眠りについたのが明け方の5時で、目の冴えきった今、カインズから拝借してきたダンボールに小説と漫画をせっせと詰めている。春から住む新居に友人が転がり込んでくるという話が急浮上してきた。自分の選択が環境が変わってしまう、文体が破綻して月曜日から金曜日が一瞬で過ぎ去って前も後ろもわからなくなってしまってもわたしは立ったままでいられるだろうか。春からの生活が楽しみいっぱいで、限りなく不安だった。今のこの情けない感情を書き留めておくことが、いつかの未来の自分を救えますように。2024.2.4

@kujuranosenaka
酔い潰れたり面倒がって翌日になって昨日のことを書くことが多い X: @kujuranosenaka