177 夜逃げって一人でするもんじゃない

鯨日記
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昨日の日記に色々書こうと思ったんだけど全然だめだった 人にみせれるようなことが何一つ書けなかった 自分の自意識をどうしても守ろうとすると途端につまらない人間になる まだ退職の意思は伝えてないけどまだ、ってだけ 謝りたい人の顔がたくさん浮かぶ 自分を責めるしかない こんなに自分がダメだってわかってたはずなのに毎回同じような失敗を繰り返している とりあえず働き口を探さないといけないと思ったけれど昨日会社に行けなかったのはもう「仕事」そのものがダメになってしまったからでじゃあその働き口ってなんなんだよ 今月は辛うじ息ができる でも来月からは? これはどうやってもひとりの人生だから 悲観とかじゃない 無だ これは凪だ わたしの心の中にある海が凪いで山が澄んでいる 鷹が高いところで旋回している トンビかもしれなかった iPhoneのメモにつけてる家計簿を確認したら「家賃 62,000円」のところが一番邪魔くさいのに引越しなんて果てしなくダルい でもこのまま仕事ができないなら引越しもしないといけない訳で だからとりあえず断捨離と思って押入の奥にあるずっと昔に人からもらったブランド物のもう動かない時計二つを質屋に持って行ったら1100円になった エレキ・ギターを一万ちょいで人に譲ることが決まって小学生の頃からチマチマ小遣いで買ってきたワンピース全巻もさっきメルカリで売れてコンビニに持って行った オムツのダンボールにガムテープで封をした それも一万円と少し なんだか夜逃げみたいだけどぜんぜん夜逃げとかじゃない 自転車とかも売っぱらっちまいたい もうなんか全部要らない気がする 要らない本をどんどんメルカリに出す また読みたくなったらその時また買えばいい 手元にあるのは本当に大切な数冊でいいはずだからとか言ってみる 本棚も空にしてジモティーとかに出したいけどそこまでの元気今日はない 仕事、人間、月々の支払い、体裁、プライドとプレッシャー、やらないといけないこととやりたくないこと、いつかの恩と仇といくつかの裏切り 全部重くのしかかる 普通に来月も再来月も元気いっぱい働いてると思ってたの嘘だったな 公共料金が止まるみたいに生きるのも止めたいのに爪は伸びるし腹も減るし髪も髭も伸びる 体伸びすぎ 試しに腕を伸ばしたけどリモコン取れなかった そんなに伸びたってしょうがないどこにも行けやしないんだから ムヒのツンとする匂いが窓の外からした 風ってこんなにやわらかでしたっけ 衝動性が強いってのも考えもので私はただでさえ無一文なのにどうやら近々無職にもなるみたいだった でもおれは長い間無職を渇望していた気がする でも無職だと生活が立ち行かないって聞いたことある さておれはこれからどうしていこうか 直近の課題は来月の生活費だけどそんなこと考えたくないしもう今年で何歳なんですかってハナシ もうそういうの終わったんだよってパンチラインすぎるよ モラトリアムを振り翳す権利すらないから働き口を探さないといけない 家賃と戦う 負ける訳にはいかないけれどちょっと数日は寝かせてほしい 何も考えたくないから猫の産毛とか絵本のキャラクターとか考える また生活が人並みにできるようになったらやりたいこととか考えてみる メルカリの通知が来た 心配させてすまないおれは元気です 換気扇の音がうるさくて部屋に差し込む夕陽が綺麗だと思えてYouTubeを見たら笑うことができます わたしにはできないことがたくさんあるみたいで人の目を気にしたらもう動くことができなくなっちまいました こんな人間が漫画とか本とか持ってたらいけないと思ってチマチマ今売りに出してます 金がないのに金で買った物ばかりに囲まれていてお金じゃ買えないものは少し前まで隣にあった気がしたのにいつの間にかほとんど手放してしまったような気がします 自分を甘やかしたこれまでの結果でした でも自分に厳しくなんて無理で 強い言葉大きい言葉全部嫌いだ その言葉が自分自身の中にも確かにあっていつか誰かに言った酷い言葉を思い出す 誰かを傷つけたこと わたしは自分がされて嫌だったことをまるで昨日のように思い出すことができるのに自分がした嫌なことはもう何年も前に赦されたものと勘違いしてしまう 現実 恥ずかしくて情けない限り 明日をどう生きよう 懐かしい この生きている実感が懐かしい 2024.5.24