59 ノイズノンキャンセリングイヤホン

鯨日記
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今日すっごい寒い。寒い寒いって言い合って仕事。いつも行くコンビニの店員さんと特に何か話をするわけじゃないけど仲良し。レジの天井から広告が吊るされていて会計中は店員さんの顔が見えない。楽天ペイで支払いを済ませて立ち去る時にお互い広告からひょいと顔を見せあって、にこりと笑って、かわす言葉もなく別れていく。お互いの仕事に戻る。イヤホンからノイズが流れる。愛用しているAmazonで2000円くらいで買ったイヤホンが壊れたってこれ前にも日記に書いたかも。左耳にノイズが混ざって、指でグッと力を入れると復活する。15分くらい経つとまた聞こえなくなって、グッ。の繰り返し。ノイズキャンセリングが流行る昨今の市場において完全に逆張りのわたしのイヤホンはかわいい。死ぬまで可愛がってやるよと思いながら耳にはめる。太陽が眩しくて目を細めた時、無意識に右目を瞑っていることに気づく。今朝も部屋に差し込む朝陽が眩しくてわたしは思わず目を瞑った、あれも右目だったな、とどうでもいいことを考える。ああだからわたしの視力は左目の方が悪いのかと独り合点する。太陽に近づきすぎた左目-2.0の視力で捉える眩しい毎日。今日はまだ書きたいことがある。電車に乗っている時わたしはスマホを触るのに飽きるとよく窓の外を見ていて、そこでは自分の乗っている列車の車内灯が走行する景色に投影されていて、光は同速度でわたしを追ってくる、夜の景色には乗客は投影されていなくて、だからわたしはいつもがらんどうの幽霊列車を窓の外に見ている。誰も乗っていない光の列車がいつもわたしを追いかけてくる。子どもの頃に見た月みたい。そういえばこの前「わたし乱視なんです」と言った人に「月がふたつに見えるってことですか」と聞いたらもう一人に「なんかいいですね、それ」と言われた。恥ずかしくてもごもごと曖昧な言葉を小さい声で早口で言った気がする。それが昔書いた小説の一節だとは言えなかった。お腹がすいてる。美味しいご飯を想像して、派遣バイト終わりに暗くて臭くて湿った控え室で食べた冷たくてうまい弁当のことを思い出した。2024.1.24