85 ぜ〜んぶ、めんどくさ

鯨日記
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引越しの準備がほとほとめんどくさい。学生の時も何回か引越しをしたけれどその時は車を持っていたし移動距離も短かったからこそ今回の引越しは心身共にくる。そもそも何もかもに嫌気が差したからこの街を出ようと決意したのに引越しがもう、こう、なんというか、ダルすぎる。ああ言いたくなかった。だって自分で決断したはずなのに。転出届も転入届もやればできるのよできるの、でも面倒なの。小学校の卒業文集で将来の夢:執事で提出しようとして担任の先生に止められた男とは思えない。執事なんて事務のトップみたいな職業なのに、わたしはいま事務の初歩の初歩にいて、ひとりひんひんと泣いている。タキシードの襟元に初心者マークをつけてお嬢様の周りをバタバタと走り回る執事。冷蔵庫と洗濯機の運搬だけを業者に頼んだ。残りの荷物は大きめの車を借りるかいっそのことハイエースを借りるか迷っている。退去立ち会い日や退職日との調整。転出届を提出した2週間以内に転入届を出しに行かないといけないし、その日に新居のカーテンレールの工事の予定も入る。免許証もマイナンバーカードも住所を変更しないといけない。荷造りの選別。新居で新しく必要になるものの買い物。文字にするとこう簡単に見えるけれど実際はほんとうにもうほんとうにもう暴れたい。掃除も洗濯も自炊も好きだから執事に向いていると思ったのに、お嬢様が引っ越しをすると言い出した暁には泣いてどうかお考え直し下さいと懇願すると思う◆今日は半休で仕事を終えた。ベローチェでアメリカンを啜る。きのこ帝国を聴く。引越しの手続きが全部終わった時にはこの日記を読み返して「よく頑張ったね」と言ってやりたい。褒めてくれる執事はわたしにはいなくて、だから自分で自分を褒めてやらないといけない。いやそれにしても引越しなんてダルすぎる。仕事とかSNSとか恋愛とか航空券の手配とかふるさと納税とか積立NISAとか傘についた水滴を払うとか、そういうものが私にとっての面倒だと思っていたけれど、引越し、お前もだったのか。2024.2.19