158 春のある一日(5/3)

鯨日記
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横浜赤レンガ倉庫に行くと「Yokohama Frühlings Fest 2024」というイベントが開催されていた。Frühlings、というのはドイツ語で「春、青春期」という意味があり、フリューイング・フェストというのは食べて飲んで演奏を楽しみながら春のある一日を過ごすという、ドイツ各地で開催されているイベントらしかった。その名の通り熱気に包まれていて、私たちは人混みを縫うようにして歩いた。結局そこではビールを注文することはせず、山下公園までプラプラと歩いて行った。路上でサックス吹きのおじ様が尾崎のアイ・ラブ・ユーを演奏していた。公園に面した高級ホテルのロータリーに女性ドライバーのタクシーがひとつ入るところだった。野毛で酒を飲んだ。店主が同い歳で帰り際に「お互い頑張りましょうね」と軒先まで見送ってくれた。日本酒が美味の良いお店だった。酔った足でもう一度赤レンガまで行った。モニュメントの前で女性四人組に「写真撮ってもらっていいですか?」と言われてスマートフォンを渡された。はりねずみのパジャマの傑作コント「パンダを見るには早い方」を思い出していた。ただ渡されたスマートフォンの画面にはカメラ・ボタンが見当たらず、女性たちはもうポージングを済ませていたからワタワタして適当に操作したらワンピースのサンジが壁紙になったホーム画面に戻ることができてやっとこさ写真を一枚撮った。酔った頭で脳がうまく回転せず、撮った写真を確認してもらいながら「気になるところあったら言ってください」と言おうとして「なんか文句あったら言ってください」と唐突に喧嘩を売る形になってしまった。言った直後にヤバと思ったが「文句ってwwwないですwww」とサンジが笑ってくれたから良かった。笑、でも(笑)でもなくてwwwみたいな先の尖った笑い方でそれも良かった。通りがかりになんかいいなと思った場所が『ちょっと思い出しただけ』のシーンでも出てきた場所だと気づいて嬉しかった。ゴールデンウィーク初日。春なのに夜は肌寒かった。2024.5.3