いつも手伝っている地元のお祭りの一日目だった。スーパーボールの受付。顧客は9.9割が幼稚園〜中学生で、プールに浮かんだボールをポイで掬って、そのうち5つを持ち帰れるシステム。5個選んでね、と屈んで目線を合わせて伝えると「いち、にい、さん」とお利口に一つずつ選んでくれる子もいれば「掬ったもの全部欲しい」と泣き出してしまう子もいる。「きらきらしたの取れたの」「これってうんち?」「あのねえ今日3回目なの」「ありがとう言った?」「ばいばい」、と交わされる声の後ろにはいつも保護者がにこにこその様子を見守ったりボールの選別を手伝ってくれていて、その保護者の一人が中学の同級生だった。多分同窓会ぶり、四年ぶりの再会で、二秒くらい目が合って「○○?」と下の名前を呼ばれた。わたしは動転して「○○?」と苗字で呼んでしまい、ああでも今は結婚してるから違う苗字か、とか考えていたら「そうだよ」と笑ってくれた。「よくわかったね」と言うと「そりゃあわかるよ、何も変わってないもん」と同級生はまた笑った。何故か情けなくなって顎にかけていたマスクを意味もなく上げて、子どもに「初めまして」と声を掛けると子どもはボール選びに夢中だった。暖かい春のような日だった。2024.3.30
酔い潰れたり面倒がって翌日になって昨日のことを書くことが多い
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