117 ココイチのカツカレー

鯨日記
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4時ごろ眠ったから8時のアラームを殴るように止めて、結局起きたのが11時頃だった。今日予定のあった場所は家から一時間くらいで、計算したらシャワーを浴びる時間は捻出できそうだったから急いで浴びた。新居はもうほとんど愛せるようになったがお風呂とトイレだけはまだ好きになれていなかった。バス・ルームは旧居にあった冷暖房機能もないため肌寒く、湯舟を張ろうとも思えない浴槽のサイズが気に食わない。結露もすぐにできて体を洗っていると背中に冷たい水を滴らせてくる。まだ仲良くなれていない感じ。言いたいことがあるなら直接言ってほしい。嫌な奴。電車に小一時間揺られ予定を済ましココイチに入る。ココイチはカスタマイズがたくさんできるから口頭で注文するのは少し緊張して、だから卓上タブレットで注文できるのはうれしい。「ご飯300g」がデフォルトでそこから量を減らしたり増やしたりできるみたいだった。まあお腹空いてるし食べられるか、とそのままオーダー。バカ。さっき空腹に耐えられなくてひとつおにぎり食べたの忘れたのか。やがて運ばれてきたカツカレーはやっぱり食べる前から量が多く感じ、半分べそかきながら完食した。ほんとバカ。バカすぎる。このムーブ何百回やったら学習するんだろう◆ココイチを食べるといつも学生の時付き合っていた恋人のことを思い出す。その恋人とココイチに行ったとき、恋人は当然のようにカツカレーを注文し(たしかそれが恋人にとって初めてのココイチだった)私はメンチカツカレーを注文した。カツカレーは1000円を超えるから極貧学生だった私は少しだけ躊躇して、たった百数円程度の差ではあるがそこに躊躇しない恋人が眩しく見えたのだった。客はまばらで、私たちは4人がけのボックス・シートでそれぞれのカレーを食べた。恋人のバイト終わりに車で迎えに行って、夜ご飯を食べてから帰ることがルーティンになっていた大学四年生の冬だった◆楽天ペイで一人分のカツカレーの勘定を支払う。少しは大人になれたのかもしれなかった、という文章でこの日記を締めたかったが、自分に見合う量を注文できていないからまだその言葉は自分に早いと書きながら思い直す。じゃあどうしよう。ひとまずは躊躇せずカツカレーを注文できるようになっただけ、今日のところはよしとする。2024.3.23

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